黄金期ジャンプの影

主にジャンプ黄金期の短期終了作品について語ります

漫画

希少な赤塚賞入選者

前回当ブログでは「地獄先生ぬ~べ~」の原作担当である真倉翔が自分で作画も手掛けた「天外君の華麗なる悩み」を紹介した。であるなら、今回は「地獄先生ぬ~べ~」の作画担当である岡野剛が自分で原作も手掛けた作品を紹介するのが筋であろう 筋と言っても…

真倉翔の華麗なる転身

当ブログでは前回、原作・原案付き作品という括りで記事を書いた。その流れで今回は、とある有名な原作・原案付き作品の原作者が、自身で作画まで手掛けた作品を紹介したい …まあ、表題に名前が入っているので察した人も多いだろうが。そう、今回紹介するの…

データで見る黄金期ジャンプ 原作・原案付き作品編

当ブログでは前回紹介した「暗闇をぶっとばせ‼」など原作・原案付き作品をいくつか紹介してきた。そこで今回は原作・原案付き作品をテーマに少し掘り下げてみたいと思う 改めて説明するまでも無いが原作・原案付き作品とは、漫画の作業を設定やストーリーを…

ジャンプ版「逃亡者」

「逃亡者」という古い海外TVドラマがある 無実の罪で逮捕されて死刑判決を受けた主人公が護送中に脱走し、自分で真犯人を見つける為に逃亡生活を続けるという内容で、制作された米国はもとより遅れて放送された日本でも高視聴率を記録した それだけにとどま…

桂正和の迷走

以前紹介した「超機動員ヴァンダー」の記事でも述べたが、桂正和という漫画家はコンスタントにヒットを飛ばしている印象があるが、実は初連載作品であり初ヒット作でもある「ウイングマン」から「電影少女」で次のヒットを飛ばすまでに約四年もブランクがあ…

すもももロボも

前回の当ブログの記事で、こせきこうじの事が語られるのは皆無であると述べたが、考えてみれば黄金期ジャンプで活躍した他の漫画家も同様の者が多い。なにせ黄金期が終焉してから既に二十五年以上が経っており、現在ではその頃の作品を読んだ事が無いという…

黄金期ジャンプで最も過小評価されている男

こせきこうじはもっと評価されていいのかもしれない 前回の当ブログはその言葉で締めくくった。これは半分冗談であるが、もう半分は本音である 事実、黄金期ジャンプを彩った作家陣の中でこせきこうじほど過小評価されている男はいないのではないだろうか。…

涙と泪と男と女

前回の当ブログの記事にてマイナースポーツ漫画の難しさを述べた際にも少し触れたが、メジャースポーツ漫画にもメジャースポーツ漫画なりの難しさがあり、ジャンプにおいて連載されたメジャースポーツ漫画はマイナースポーツ漫画の比ではない程多いが、短期…

マイナースポーツの悲哀

気付けば北京オリンピックも次の日曜日で閉会式を迎えようとしている。フィギュアスケートなど一部競技に対する注目度が非常に高かった一方で、昨夏に行われた東京オリンピックに比べると全体的な盛り上がりに欠けていると感じるのは、自国開催ではないとい…

柳の木の下に河童は何匹?

前回当ブログで紹介した「水のともだちカッパーマン」は河童(厳密には河童と人間とのハーフだが)が主人公というなかなかニッチな作品であった 長い歴史を誇るジャンプでも流石にそんな作品は他に無いだろうと思う方もいるかもしれないが、それは甘い。黄金…

気触れつちまつた悲しみに

今回紹介するのはこの作品である 水のともだちカッパーマン(95年45号~96年30号) 徳弘正也 さて、作者と言えば以前当ブログでも紹介した「ターヘルアナ富子」の連載終了後、88年15号から連載を開始した「ジャングルの王者ターちゃん♡」が途中…

初代Mr.ジャンプとの別れ

当ブログでは前回の「猛き龍星」、その前の「男坂」と2度続けて「男一匹ガキ大将」を参考にした作品を紹介した であるならやはり「男一匹ガキ大将」も紹介するのが筋であろう。…と言いたいところだが、同作品は連載が終了した時ですら私が生まれる前という…

ガキ大将に魅せられた者たち

前回の「男坂」の記事において、同作品は本宮ひろ志の「男一匹ガキ大将」を参考にして描かれたという事を述べた。ところで、黄金期ジャンプの連載作品の中には「男坂」以外にも「男一匹ガキ大将」を参考にした作品が存在する事をご存じだろうか その作品とは…

日本一有名な短期終了作品

当ブログでは前回紹介した「RASH‼」、そして以前に紹介した「BAKUDAN」を、ジャンプの発行部数という観点から日本で一番読まれた短期終了作品と定義した。だが、両作品は日本で一番読まれた短期終了作品かもしれないが、正直なところ憶えている人も少なく、…

日本で一番読まれた短期終了作品その2

今から二十七年前、94年の本日12月20日はジャンプが653万部という最大発行部数を記録した95年3・4号が発売された日である そして、その号に掲載されていた短期終了作品こそ、日本で一番読まれた短期終了作品であるという理屈で以前宮下あきらの…

「キララ」を継ぐもの?

前回当ブログで平松伸二の「キララ」を紹介した時に触れそびれたが、その新装版単行本の帯には次のような文言が書かれている 「アストロ球団」と「地獄甲子園」をつなぐDNA的作品 更に巻末の解説でも、ネット上で漫☆画太郎の「地獄甲子園」は「キララ」にイ…

バットは殴る為にある?

12月になってもう一週間が過ぎようとしている。年齢を重ねると一年が早く感じるとはよく言われ、若かった頃はそんな訳ねーだろと思っていたが最近は本当に早く感じ、つい最近令和になったと思ってたのに気付けばもう令和3年も終わりである。ここ数年は体…

ジャンプを駆け抜けていった異端の漫画家

何度も説明しているが、当ブログにおいてジャンプの黄金期は「DRAGONBALL」の連載が開始した84年51号を始まりとし、「SLAM DUNK」の連載が終了した96年27号までと定義している そして、その約十一年半という間にジャンプで連載を経験した事がある漫…

サンデーより来た男

前回紹介した「海人ゴンズイ」で、同作品の終了と共にその作者であるジョージ秋山がジャンプを去った事により、ジャンプの純血主義は完遂したと述べた だが、それ以降にジャンプで連載した漫画家の中に他誌で実績のある人物が全くいなかった訳ではない。例え…

ジャンプの幼年期の終わり

今から三十七年前の84年11月20日は当ブログで定義するところのジャンプの黄金期が始まった日であるという事は以前の記事で述べた。という事は必然的にそれより一週間前、つまり三十七年前の本日11月13日は、黄金期前の最後のジャンプが発売された…

ジャンプナイズの功罪

ジャンプを象徴する漫画ジャンルは?と問われれば、殆どの人は「それはバトル漫画である」と即答する事だろう。黄金期の看板である「DRAGONBALL」、現在の看板である「ONE PIECE」、そして映画の興行収入記録を塗り替えた「鬼滅の刃」など、ジャンプの歴史は…

柳生の剣は誰が為に

前回紹介した「甲冑の戦士雅武」の舞台は戦国時代だったが、今回紹介するのはそれより少し後の江戸時代初期を舞台とした作品である という訳でこちらの作品だ 柳生烈風剣連也(92年14号~24号) 野口賢 作者自画像 作者は89年に巻来功士のアシスタン…

歴史は犬によって作られる

毎年年末になると、清水寺でその年の世相を一文字で表す今年の漢字なるものが発表されるが、それに倣って黄金期のジャンプで連載経験のある漫画家を一文字で表そうとすると、相当メジャーな漫画化でもかなり困難である。例えばMrジャンプと呼べるような鳥山…

平松伸二版「愛と誠」

今回紹介する作品はこちらだ ラブ&ファイヤー(85年51号~86年13号) 平松伸二 画像は電子書籍版 タイトル名はヒロインである愛と主人公の炎からとったもので、こういうタイトルのつけ方は漫画に限らず昔からいろいろあったりする。「ロミオとジュ…

コイツでコロナなんて(物理的に)ぶっとばせ‼

私事であるが、先日遅ればせながらコロナワクチンの1回目の接種を受けてきた。一時の猛威からすれば落ち着いてきたものの、コロナが流行してきてから一年半ほども続く窮屈な生活に精神が疲弊し、コロナに対してヘイトを募らせている方も多かろう まったく、…

追悼さいとう・たかを ジャンプにも存在したゴルゴ13フォロワー

本日9月29日、さいとう・たかをが24日に死去していたという報が入ってきた。その代表作である「ゴルゴ13」は誰もが知る作品であり、今年7月には単行本の201巻が発売され、「こち亀」の記録を抜いてギネス世界記録を更新したばかりであった そこで…

巻来功士の夢の終わりと新たな夢の始まり

当ブログでは前回、前々回と巻来功士の「メタルK」を、その裏事情を綴った「連載終了!」を交えて紹介したが、「連載終了!」は作者がジャンプの専属契約を解消するまでが描かれているので、せっかくだからそこまでを作者最後のジャンプ連載作品と併せて紹介…

伝説のトラウマ作品とその舞台裏 その2

さて、前回は「メタルK」を紹介するなどと言っておきながら、前段階が長過ぎて結局紹介できないという詐欺じみた事をやってしまったが、今回こそはきちんと紹介したい まずは「連載終了!」を引用しつつ前回の続きから 「機械戦士ギルファー」の連載終了後、…

伝説のトラウマ作品とその舞台裏

ジャンプ作品がどれだけ読者の記憶に残るかは基本的に連載期間の長さに比例するものである。何しろアンケートで高く評価された作品=読者の注目を集めた作品ほど長く連載されるし、ずっと読者の目に触れられる事で、より読者の記憶に深く刻まれるのだから。…

色無き世界の色男

当ブログでは前回ジャンプ二大ヤンキー漫画の1つ、「BØY」の作者である梅沢勇人(梅澤春人)の作品を紹介した。ならば、二大ヤンキー漫画のもう1つ、「ろくでなしBLUES」の作者である森田まさのり作品を紹介するのが筋であろう …と言いたいところだが、残…