黄金期ジャンプの影

主にジャンプ黄金期の短期終了作品について語ります

漫画

ルーツを読む

改めていう事でもないが私は黄金期ジャンプの短期終了作品が好きで単行本を集めている。そして、実は他にもう1つ好きで単行本を集めている漫画がある それは、やはり黄金期ジャンプに掲載歴のある漫画家の短編集である 黄金期以前の漫画家も一部混じってい…

失われたジャンプの系譜

ジャンプを代表する漫画のジャンルと言えばバトル漫画という事は今更説明不要だろう。黄金期においては「DRAGONBALL」を筆頭に数々のバトル漫画が誌面を飾っただけでなく、黄金期終了後も「ONE PIECE」「NARUTO」「BLEACH」「鬼滅の刃」etc…そして「呪術廻戦…

名前にだまされてはいけない

今回紹介する作品は短期終了作品ではないが実質的には短期終了作品である。一体どういう事かと言うと、当ブログでは単行本4巻以下で完結する作品を短期終了作品と定義しているが、今回紹介する作品は全5巻なので短期終了作品ではないと言える。のだが、そ…

青春の袋小路

今回紹介するのはこちらの作品である DIAMOND(96年21号~39号) 柳川ヨシヒロ 画像は電子書籍版です 作者のデビューまでの経歴はこちらを参考にされたし shadowofjump.hatenablog.com VICEの連載終了後は94年増刊オータムスペシャルに「VOICE」を掲…

ジャンプ黄金期における初の連載終了作品

ご存じの方も多いと思うが、三日後の2月17日に発売されるウルトラジャンプ3月号で「ジョジョの奇妙な冒険」の第9部にあたる「The JOJOLands」の連載が開始される。それを記念して今回はこちらの作品を紹介したい バオー来訪者(84年45号~85年1…

ラブコメ作家の悲哀

前々回の当ブログの記事において、格闘技イベントがいつの間にか年末の定番となっていると述べた。ならば、年始の定番といえば何だろうか。色々あるだろうが、殊スポーツに限って言えば、元日に実業団によるニューイヤー駅伝が、そして2日、3日と二日にわ…

連載再開待ってます

ご存じの方も多いと思うが、冨樫義博の「HUNTER×HUNTER」の週刊連載が終了、今後は週刊連載ではない形で掲載されていくという事が発表された。連載が終了という文言はショッキングではあるが、よくよく読めば結局は体調に合わせたペースで掲載するというこれ…

大晦日のあのイベントの前に

早いもので今年もあと十日余りで終わろうとしている。この一年を振り返ってみると世間ではロシアのウクライナ侵攻など色々あったものの、私個人においては特筆するべき事は何もなしという年が今年だけでなくここ何年も続いていて、無為に齢を重ねている感で…

BØYエピソード0

以前にも述べた覚えがあるが、ジャンプ黄金期における二大ヤンキー漫画といえば、森田まさのりの「ろくでなしBLUES」と梅澤春人の「BØY」である。まあ、二大も何も他にめぼしいヤンキー漫画が無いといったらそれまでだが さておき、そんな二大ヤンキー漫画の…

ドラマ化された短期終了作品

これまでも何度となく触れたが、今から三十八年前の本日11月20日に発売されたジャンプ84年51号で「DRAGONBALL」の連載が開始され、ジャンプの黄金期が始まった。そこで今回はその記念すべき号に掲載されていた短期終了作品を紹介したい ガクエン情報…

あの作家もジャンプ作家だった

以前から何度か触れたが、当ブログで定義するところのジャンプ黄金期は84年51号から96年27号までの間であり、期間中に誌面を飾った連載作品数は黄金期以前からの継続作品も含むと168になる。そして、168の作品の中には「DRAGONBALL」や「SLAM …

金田一少年にもコナンにもなれなかった者たち 番外編

前回まで3回にわたって「金田一少年の事件簿」や「名探偵コナン」のヒットの後にジャンプでも連載が開始されるも短期終了してしまった推理漫画を紹介してきた訳だが、実はもう1作あると言えばある。…とはいえ、明らかに方向性が違うのでどう考えても両作品…

金田一少年にもコナンにもなれなかった者たち その3

前々回、前回に引き続き今回もマガジンやサンデーの後追いで連載を開始したものの、短期終了してしまった推理漫画を紹介していきたい その第3弾はこちらの作品だ 少年探偵Q(98年11号~26号) しんがぎん・円陣 作画担当のしんがぎんの経歴については…

金田一少年にもコナンにもなれなかった者たち その2

今回も前回に続き、ライバル誌で「金田一少年の事件簿」や「名探偵コナン」が大ヒットしたのを見てジャンプでも後に続けと連載を開始したものの、短期終了してしまった推理漫画を紹介したい 心理捜査官草薙葵(96年33号~97年5・6号) 月島薫・中丸…

金田一少年にもコナンにもなれなかった者たち

ご存じの方も多いと思うがジャンプは黄金期が終了した翌年の97年にはマガジンに発行部数を抜かれ、02年に奪回するまでその下に甘んじる事になった。その理由はジャンプが「DRAGONBALL」、「SLAM DUNK」の二大看板を失って全体的に連載作品が小粒になった…

昭和は遠くなりにけり

今から三十八年前の本日9月13日は、野球漫画の金字塔である「キャプテン」や「プレイボール」などの作者としてお馴染みのちばあきおが亡くなった日だ。という訳で今回はちばあきおの作品集であるこちらを紹介したい 校舎裏のイレブン ちばあきお 作者は夜…

昭和のGTO

黄金期ジャンプの短期終了作品を紹介しようと始めた当ブログも気付けば明日で開設してから丸二年になる。こんなブログを続けているのだから改めて言う事でも無いが、私は短期終了作品が好きだ。それは即ち読者アンケートが芳しくない作品を好きだという事で…

早すぎた変節

以前「タイムウォーカー零」を紹介した時にも触れたが、元々冒険活劇だった「DRAGONBALL」がいつの間にかバトル漫画になったように、作品をジャンプのカラーに合うよう改変する事をジャンプナイズと言い、これによってジャンプを代表する人気作が幾つも生ま…

世にも奇妙なえんどコイチ

8月もあと一週間余りで終わりである。まだまだ残暑は厳しいものの私の住む地域では夜は過ごしやすくなり、セミの鳴き声に混じって鈴虫の鳴き声も聞こえてくるようになってきて、ゆっくりながらも着実に秋の訪れを感じる今日この頃だ という訳で、今回は少し…

時代が早すぎたレスリング漫画

前回当ブログで紹介した「ノーサイド」のラグビー同様に、急激にメジャー化したスポーツというのは他にも結構ある。カーリングもオリンピック中継で大々的に取り上げられる前はどマイナースポーツだったし、スケートボードなども昨年行われた東京オリンピッ…

ラブコメ-ラブ-コメ=

最近、という程最近でもないが、ラグビーのW杯が日本で開催されて以来、選手が一般メディアやTVCMにちょこちょこ登場したり、BSではあるがレギュラーのラグビー情報番組が開始したりとラグビーが急激にメジャースポーツ化した感がある と言っても、以前はマ…

文字通り伝説となった物語

前回「大相撲刑事」を紹介した時に話の枕として大相撲の話題を出して呑気に優勝争いについて語っていたが、その後、日が進むごとに次々と休場者が出てえらい事になるとは思いもよらなかった。まったくコロナとは怖ろしいものである さておき、今回はその際に…

相撲ブームが生んだ怪作

今日現在、大相撲名古屋場所は十日目を迎え、既に無敗どころか1敗の力士すらなく優勝争いが混沌としてきている。…などと書くと鋭い方は先読みして、さては今回紹介するのは相撲漫画の「力人伝説 鬼を継ぐ者」だなと思うかもしれない 外れである 今回紹介す…

ACEを狙え

先日行われたウインブルドンは、女子はリバキナの、男子はジョコビッチの優勝で幕を閉じた。などと言った場合、多くの人は程度の差はあれど「ああ、テニスの大会の事だな」と理解するだろう。これが例えば少し話題が古いが、スーパーボウルはラムズが勝利し…

ハンター×ハンター(HUNTER×HUNTERではない)

本日は「モンスターハンターRISE」の大型DLC、「サンブレイク」の発売日である。思い起こせば「モンスターハンターRISE」の発売時、当ブログではタイトルそのままの「モンスターハンター」をはじめ、ハンターと名の付く作品を色々紹介したものだ shadowofjum…

黄金期終了後のジャンプを牽引した男

前回の当ブログで、二十六年前の96年6月17日は「SLAM DUNK」の連載が終了したのと同時にジャンプの黄金期が終了した日だと述べた。であるならば必然的にそれより一週間後の本日、96年6月24日は黄金期終了後初めてのジャンプが発売された日となる …

ジャンプロボット大戦

前回当ブログではロボットが主人公である「SCRAP三太夫」を紹介したわけだが、ロボットが登場する漫画は他にも数が多い。古くは「ロボット三等兵」や「鉄腕アトム」から始まり、メジャー中のメジャー作品である「ドラえもん」、ジャンプでは「Dr.スランプ」…

原点回帰し過ぎ問題

黄金期の終焉から早や二十五年が過ぎ、当時の誌面を彩った漫画家の多くは第一線から引いており、鬼籍に入った者も見られる。中には荒木飛呂彦のように今も尚現役バリバリで存在感を放っている者もいるが、数少ない例外と言えるだろう そんな例外の1人として…

青春の迷走

早いもので今週末からGWである。この春から新たな生活を始める事になった新入生や新社会人はそろそろ環境に慣れ、期待に胸躍らせた気持ちも不安に苛まれた気持ちも一段落した頃だろうか。…まあ、かく言う私がそんな環境にあったのは20世紀の話になる訳だが…

希少な赤塚賞入選者

前回当ブログでは「地獄先生ぬ~べ~」の原作担当である真倉翔が自分で作画も手掛けた「天外君の華麗なる悩み」を紹介した。であるなら、今回は「地獄先生ぬ~べ~」の作画担当である岡野剛が自分で原作も手掛けた作品を紹介するのが筋であろう 筋と言っても…