黄金期ジャンプの影

主にジャンプ黄金期の短期終了作品について語ります

週刊少年ジャンプ黄金期

伝説のトラウマ作品とその舞台裏

ジャンプ作品がどれだけ読者の記憶に残るかは基本的に連載期間の長さに比例するものである。何しろアンケートで高く評価された作品=読者の注目を集めた作品ほど長く連載されるし、ずっと読者の目に触れられる事で、より読者の記憶に深く刻まれるのだから。…

色無き世界の色男

当ブログでは前回ジャンプ二大ヤンキー漫画の1つ、「BØY」の作者である梅沢勇人(梅澤春人)の作品を紹介した。ならば、二大ヤンキー漫画のもう1つ、「ろくでなしBLUES」の作者である森田まさのり作品を紹介するのが筋であろう …と言いたいところだが、残…

あの人気作品との共通点は

突然だが、あなたはヤンキー漫画と言えば何を思い浮かべるだろうか? 「BE-BOP-HIGHSCHOOL」、「疾風伝説 特攻の拓」、「今日から俺は」、「カメレオン」等々、80年代から90年代にかけてはヒットしたヤンキー漫画が各誌で数多く誕生した為、思いつくタイ…

ジャンプで一番激しいバトルは

本日8月10日は、ジャンプの黄金期を彩った漫画家の1人である山根和俊の誕生日である。などと周知の事実のように言ってみたが、もしかすると中には「誰だよ、山根和俊って?」と思っている人も少なからずいるかもしれない。だが、そんな人も作品名と単行…

北条司に何が起こったか

何度も言っているが、と何度も言っているが、ジャンプの正式名称は少年ジャンプであり、メイン読者層は少年、つまり未成年である。なので、連載作品の主人公は読者と同様の未成年者か、成人であっても「北斗の拳」のケンシロウや「るろうに剣心」の緋村剣心…

五輪とジャンプ

本日は東京オリンピックの開会式が行われる日であり、これを書いているまさに今、式が行われている最中である 本来は昨年に開催されるはずであったところをコロナ禍の為一年順延してもまだ収まらない中での開催強行には今なお批判も多く、また、運営面でも新…

名作と名作の狭間に

前にも述べたが、黄金期のジャンプでは長期に渡って連載を続けるどころか、連載を持つ事すら非常に困難である。ましてやそれを複数の作品で成し遂げる事は非常に稀であり、黄金期を代表する漫画家でも1つの作品では大ヒットを飛ばしたものの、後が続かなか…

再び鬼門のジャンルに挑んだ男

前回紹介した「ハードラック」の作者の樹崎聖であるが、同作品が僅か11話で連載終了という挫折を味わうものの、ホップ☆ステップ賞を満票で入選した実績故か次のチャンスは意外と早く到来し、連載終了後半年も経たぬうちに88年増刊サマースペシャルで「TE…

鬼門のジャンルに挑んだ男

当ブログでは前回まで3回にわたって、ジャンプ本誌に作品が掲載された事があるものの、連載を持つ事が出来なかった者たちを扱ってきた。そしてその2回目において十津川菜生・水流添了の「テイクオフ」を紹介した際、私は以下のような説明をした shadowofju…

ジャンプで連載を持つという事の難しさ3

さて、前回、いや、前々回では、ジャンプ本誌に作品を掲載された経験があるものの連載を持つまでには至らなかった者を、①連載は持てなかったが単行本は出版された者、②ジャンプでは連載を持てなかったが他誌で連載を持てた者、③どこでも連載が持てず単行本も…

ジャンプで連載を持つという事の難しさ2

さて、前回私はジャンプに作品が掲載された経験はあるものの、連載を持つには至らなかった漫画家として岩泉舞とその作品集である「七つの海」を紹介させて頂いた。だが、実はこのような例はそれほど珍しい事ではない。黄金期のジャンプに掲載された読切作品…

ジャンプで連載を持つという事の難しさ

当ブログではここ2回で冨樫義博、江口寿史と休載癖のある漫画家の作品を紹介してきた。が、言うまでも無い事だが、この2人のように休載を重ねる人物は極めて稀であり、ジャンプで連載を持った事のある殆どの漫画家は病気などやむを得ない理由でもない限り…

冨樫が仕事をしなくなったワケは

好き嫌いは別にして、冨樫義博がジャンプにとってかなり功労者である事に異論をはさむものは少ないであろう。「幽☆遊☆白書」は黄金期において鳥山明の「DRAGONBALL」と井上雄彦の「SLAM DUNK」に次ぐ人気を誇っていたし、黄金期の終焉後は鳥山明が半ば隠居し…

戦場バトル漫画が挑んだ過酷な戦場

前にも述べたかもしれないが、ジャンプにおける花形ジャンルと言えば、やはりバトル漫画であろう。その誌面を彩ってきたバトル漫画はジャンプの黄金期どころかジャンプを、いや、少年漫画を代表すると言っても過言ではない「DRAGONBALL」を筆頭に、「北斗の…

冨樫がちゃんと仕事していた頃

当ブログでは「モンスターハンターRISE」の発売以来、平松伸二の「モンスターハンター」を始めとしてハンターと名の付く作品を紹介してきたが、残念ながら今回はハンターと名の付く作品ではない。本来なら前回紹介した「不思議ハンター」の本誌連載版を紹介…

元祖?モンスターハンター

世間には今日という日を指折り数えて待っていたという人も多いのではなかろうか。と言うのも、本日3月26日は大人気ゲーム「モンスターハンター」のシリーズ最新作「モンスターハンターRISE」の発売日だからである。かく言う私も年甲斐もなく買ってしまっ…

ジャンプの壁に撥ね返され続けた男

所謂3大週刊少年漫画誌の中では、ジャンプは他の2誌に比べると伝統的に他所で活躍した実績のある漫画家を起用するケースは少なく、連載陣の殆どは新人を自前で発掘、育成した漫画家が占める事からよく純血主義だなどと言われている。が、その割には新人に…

十七年目の復活

言うまでも無い事と言いつつ前にも言った記憶があるが、ジャンプの正式名称は(週刊)少年ジャンプであり、そのメイン読者層は少年、即ち男性である。その為連載作品の主人公は読者と同性の男性である場合が圧倒的に多く、女性が主人公の作品は極めて少ない…

「コブラ」の作者による大人のおとぎ話

前回ここで私はジャンプにおけるヒット作の作者による次回作は本当にコケるのかについての調査報告をしたのだが、その際にあえて触れなかったデータがある それは何かというと、まずは改めてこちらの表を見て頂きたい もう一度説明すると、連載作品が単行本…

ラブコメ-ラブ=

71年にマガジンを抜いて少年漫画誌のトップの座に就いてから95年3・4号で653万部という空前絶後の発行部数を記録するまでの間、常に無敵の快進撃を続けたようなイメージのジャンプであるが、その実編集部では危機を感じた時が幾度もあったという そ…

月ジャンの主、来たる

前回私は、もしMr.ジャンプという称号があるとしたら、それに一番相応しいのは鳥山明であると語った。そしてこの意見に異論がある人は少ないであろう では、ジャンプはジャンプでも月刊ジャンプのMr.ジャンプという称号に相応しいのは誰になるだろうか? こ…

ジャンプを襲う世代交代の波

もしMr.ジャンプという称号があったとしたら、それを授かるのに相応しい人物は誰だろうか?現在で考えるなら「ONE PIECE」の作者である尾田栄一郎という意見もあるだろうが、やはりジャンプ黄金期の象徴たる「DRAGONBALL」だけでなく「Dr.スランプ」の作者で…

女性作家の苦闘

今更言うまでもない話だが、ジャンプの正式名称は(週刊)少年ジャンプであり、メイン読者層は名称の通り少年の少年漫画誌である。その為に今も昔も連載している作家陣は少年の好みを身を以て知っている元少年、つまり男性が圧倒的に多く、当の編集部すらジ…

鬼滅?いえ鬼来です

劇場版「鬼滅の刃」が映画の歴代興行収入で日本一になったという。それを記念して今回はこの作品を紹介したい 鬼が来たりて(96年5・6号~18号) しんがぎん 作者自画像 「鬼滅の刃」じゃないのかよ、と突っ込まれそうだが、なにせ黄金期の作品でもな…

意外と不遇な人気スポーツ

日本で一番人気があるスポーツと言えば野球である などと言ったら「サッカーだろが」と反論があるかもしれない。しかし少なくともジャンプの黄金期においては野球だと断言する。何せ日本でサッカーが一気に人気スポーツになったのは所謂ドーハの悲劇あたりか…

絶滅危惧種の応援団漫画

現在大学や高校の応援団は全国的に存続の危機にあるという。ただでさえ少子化で生徒数が減っているうえに厳格な雰囲気が敬遠されて、各校で応援団が消滅したり、存続はしていても団員の数は僅か数人という有様だそうだ とは言え、それは現在に始まった事では…

最も期待された短期終了作品

今回紹介するのは、データで見る黄金期ジャンプの記事で少し触れたコレだ CYBERブルー(88年52号~89年32号) 原哲夫 BOB&三井隆一 コンビニコミックみたいなカバーデザインだ 本作品を紹介する前にまずこれを見て貰おう 連載初週から2話連続で巻頭…

データで見る黄金期ジャンプ3

今回も引き続き黄金期ジャンプのデータを見ていきたい 今回見るのは巻末に掲載された回数ランキングである 巻末に掲載される作品なんてのは基本的に人気の無い作品だから、これまで紹介した巻頭や3番目の回数ランキングと違ってこれは短期終了作品が独占す…

データで見る黄金期ジャンプ2

前回に引き続き黄金期ジャンプのいろいろなデータを見ていきたい まずは黄金期間中のジャンプで掲載順が3番目だった事が一番多い作品である なんで3番目なんだ?と疑問に思う方もいるかもしれないが、説明の前にまずベスト10を見て貰おう 1位 DRAGONBAL…

データで見る黄金期ジャンプ

今日から一週間前の11月20日という日付けは84年51号で「DRAGONBALL」の連載が開始された日、つまりジャンプの黄金期が始まった日であるという事は以前の記事で触れた では、本日11月27日はジャンプにとってどういう日かというと、86年にFCソフ…