黄金期ジャンプの影

主にジャンプ黄金期の短期終了作品について語ります

黄金期ジャンプ短期終了作家列伝 その4

 ジャンプの短期終了作品ではなく、その作家の方にスポットを当てる短期終了作家列伝、その第4弾は黄金期においては連載作品が悉く短期終了になったが、黄金期終焉後にジャンプの看板作家の1人に昇りつめた小畑健である

 

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 尚、当記事は以前に掲載した作者の作品紹介記事と被る部分が少なくない事を予め断っておく

 

 小畑健は高校時代の85年に土方茂名義の「500光年の神話」で手塚賞準入選、翌86年増刊スプリングスペシャルに掲載されてデビューを飾る。その後次原隆二にわのまことのアシスタントを務めつつ同年オータムスペシャルに「オートバイメモリー」、87年オータムスペシャルに「ロングシュート」の掲載を経て88年サマースペシャルに「CYBORGじいちゃんG」を掲載すると好評を博して同年46号に同タイトルで本誌初登場、更に翌89年22号から連載化を果たしたのであった

 

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 しかし「CYBORGじいちゃんG」が短期終了し、更に90年39号に掲載された「出てきておく霊守太郎くん」が連載化を逃すとペンネームを小畑健に変更、以降は専ら原作付き作品の作画を担当するようになり91年52号から泉藤進原作でアラビア風ファンタジー漫画の「魔神冒険譚ランプ・ランプ」の連載を開始する

 

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 しかしこれも短期終了すると92年32号に山際淳司原作で陸上選手のカール・ルイスの物語を描いた「天に昇った金メダル」を掲載、これで実在スポーツ選手ものに適性があると思われたのか同年52号から宮崎まさる原作で大相撲の若貴兄弟の物語である「力人伝説 鬼を継ぐ者」の連載を開始

 

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 が、やはり短期終了してしまう。同作品に関しては権利の関係もあって人気があろうがなかろうが元々短期終了が既定路線だった可能性もあるが、仮にそうだとしても若貴人気を当て込んで連載当初は前の方だった掲載順が後半にかけて急下降しているので好評だったが止む無く終了という訳でも無さそうである

 しかし、あまり好評ではなさそうだったのにもかかわらず、93年51号で「夢幻導士」を掲載した後、95年スプリングスペシャルで写楽麿こと宮崎まさると再びコンビを組んで今度は推理漫画の「人形草子あやつり左近」を掲載すると、同年23号から連載が開始される

 

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 だが、これも短期終了。結局黄金期においては4作品も連載していながら1つも長期にわたって連載した事が無く、最長でも「CYBORGじいちゃんG」の三十一週(「人形草子あやつり左近」も話数は同じであるが2話掲載の週があるので連載期間は三十週)と層の厚さに阻まれてしまった小畑健であったが、黄金期終焉後にほったゆみ原作の「ヒカルの碁」、大場つぐみ原作の「DEATH NOTE」に「バクマン。」といったヒット作を生み出し、今や知らぬ者はいないくらいの作家になった事は説明するまでもないだろう。…まあ、「学糾法廷」みたいな例もあるので詰まるところ原作次第ではあるのだが