短い間でもジャンプを購読した経験のある方ならわかると思うが、ジャンプの連載作品の入れ替えは大体十数週毎に2、3作品を毎号1つずつ終わらせて代わりに新連載をやはり毎号1つずつ開始させるというのが定番であり、これがジャンプという雑誌における1つのサイクルと言っていい
そこで今回はこのサイクルに注目し、それぞれのサイクルで何が始まり何が終ったのかを取り上げ、ジャンプ黄金期における細かな興亡を見て行きたい
その記念すべき第1回目に取り上げるのは、やはり黄金期の幕開けである第1期しかない。というか、基本的には順番に取り上げる予定である
まずは第1期の連載作品を見て貰おう。まあ、以前の黄金期の始まりを振り返る記事でほぼ挙げているのだが、それに加えて次号で連載が開始された「ばくだん」を加えた16作品が黄金期第1期の全連載作品である。尚、並び順は連載時期が古い順で、その連載回数も併せて記しておく。また、「ハイスクール!奇面組」に関しては連載開始時期も連載回数も前身である「3年奇面組」からのカウントである
こち亀 76年42号 1955話
キン肉マン 79年22号 389話
ハイスクール!奇面組 80年41号 339話(「三年奇面組」含む)
キャプテン翼 81年18号 356話
ブラックエンジェルズ 81年46号 179話
よろしくメカドック 82年44号 113話
ウイングマン 83年5・6号 113話
シェイプアップ乱 83年26号 128話
北斗の拳 83年41号 245話
銀牙 流れ星銀 83年50号 164話
きまぐれオレンジ・ロード 84年15号 156話
男坂 84年32号 30話
ガクエン情報部H.I.P 84年44号 29話
バオー来訪者 84年45号 17話
DRAGONBALL 84年51号 519話
ばくだん 84年52号 29話
このラインナップから85年11号で「バオー来訪者」が、12号で「男坂」が、そして13号で「よろしくメカドック」連載終了するまで、即ち84年51号から85年13号までがジャンプ黄金期の第1期となる
一番の古株は勿論「こち亀」で、既に連載開始から八年が経過している。この時点でも十分すぎる程長いのに、黄金期も皆勤、更に黄金期終了後と足掛け四十年にわたって連載が続いたというのは改めて振り返っても怖ろしい事だ
新顔は「コブラ」、「海人ゴンズイ」と入れ替わりで開始された「DRAGONBALL」と「ばくだん」の2つ。片や「Dr.スランプ」で一躍ジャンプの看板作家の1人にのし上がった鳥山明、片や黎明期からジャンプを支え続けた元宮ひろ志というラインナップは編集部としても大勝負だったのだろう、「DRAGONBALL」は最初の五週の掲載順が1→2→1→1→2、「ばくだん」は1→3→4→3→4と気合が入っているのが見て取れる。その甲斐もあって「DRAGONBALL」は当初伸び悩んだものの、バトル路線に舵を切ってからは人気爆発、以後連載が終了するまでジャンプの大看板であり続けたのは今更説明するまでもないだろう。一方「ばくだん」は設定が明らかに時代遅れだった事もあって低迷から抜け出せず短期終了とクッキリ明暗が分けられる結果となった
また、この時期に掲載された読切はこせきこうじの「超人間ロクロー」(85年1・2号)と北条司の「キャッツアイ」(同6号)の2本でどちらも連載昇格は無し。まあ、「キャッツアイ」のほうは連載終了後の特別編なので当然ではあるが
ここからは当サイトらしいデータを
短期終了作品は「ばくだん」に加えて「ガクエン情報部H.I.P」、この期に連載終了となった「バオー来訪者」と「男坂」の4本で、全連載作品数に占める短期終了作品率は.250
連載作品16本の平均連載回数は297.56回。ただ、これは黄金期皆勤の「こち亀」が1本で平均値を100以上上げてしまっているので、データ比較としては「こち亀」を抜いたほうが良さそうである。抜いた15本の平均だと187.06回となる
以上が黄金期第1期を掘り下げてみた報告である。また、この時期の短期終作品に興味のある方は以下の記事を参考にされたし