黄金期ジャンプの影

主にジャンプ黄金期の短期終了作品について語ります

BASTARD‼を攻略する 第1章

 前回「BASTARD‼虚ろなる神々の器」を紹介したので、いつものように今回から攻略を

 

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 まず夢か現かダーク・シュナイダーがヨーコを襲うムービーが入り、忘却の浜辺で目を覚ますも記憶が無い、というところからスタート。忘却の浜辺って何処なんだよ、とお思いの方もいると思うが私も知らない。本ソフトはストーリーだけでなく舞台もオリジナルなので基本的に知っている場所は出て来ないのだ

 

 すぐ近くにたき火をしているヴァイを発見、仲間になる。こいつも何故か記憶を失っている。因みに仲間になっただけでは戦闘に参加してくれないので作戦でパーティに加えよう

 

 南東方向に進むと竜船が見つかるので船内へ。通路を進んでいるとヨシュアを発見、「あなたを助ける為」とか言いながら仲間にはならない。因みにこいつも記憶を失っている、と言うか、この先も登場人物の殆どが記憶を失っているので今後はいちいち触れない

 

 船内は基本的に細い通路を北へ北へ進むだけだが、途中で通路が広がり東西に2つずつ扉があるところがあり、南東の扉の先にブラドがいる。ブラドとヴァイの言い争いを放っておくとブラドが仲間に。逆に言えば口出しすると仲間にならない。ブラドに限らずこちらの行動によって仲間になったりならなかったりするキャラは何人もおり、また、展開も変わってくるので、もし当記事を参考に本ソフトを攻略しようとする人が居たとして、自分と展開が違って参考にならないというケースもある事を断っておく

 

 そのまま北に進む。突き当りにある扉は閉まっているが、その南西の扉の先にある回復球を調べると開けられるように。中には謎の男(ボル)がいて、戦闘に。事前に話しかけていると戦闘後ボルが仲間になる

 

 竜船を出てスタート地点まで戻り、そこから西の方に進んでいくと要石の洞窟に。北の通路は塞がれているので東に進み、小島を経由して地龍神殿へ

 

 神殿内にある3つの石板を調べると要石に通じる扉が開く。要石を調べた時にダムドを撃つと反射されてダメージを受ける。その後の要石との戦闘でも魔法を使うと反射されるが向こうからは攻撃してこないので通常攻撃だけしておけば時間は掛かるがノーダメージで倒せる

 

 要石の洞窟に戻ると北の通路が通れるようになっているので宝箱を回収しつつ小峡谷へ

 1つ言い忘れていたが、このゲームにはお金の概念がなく、従ってアイテムや装備を購入する事が出来ない。ではどうやって入手するかというと戦闘でのドロップか宝箱からである、と言うとトレハン要素があるように思えるかもしれないが実際は戦闘でドロップするのはイベント戦の固定ドロップ以外は消耗アイテムくらいだし宝箱の中身も固定と思われるので残念ながらそういう要素はない

 

 小峡谷に入って少し進むとマカパイン&ヨルグが襲ってきて戦闘に。戦闘前にヨシュアが助太刀に来るが別に仲間になってはくれない

 

 秘された抜け道に繋がる扉が閉まっているのでそこから北へ向かい道沿いに進むとイングヴェイがいて近くに祭壇がある。祭壇を調べると扉が開くようになると共にイングヴェイが仲間に

 

 秘された抜け道に入ると後戻りが出来ないように。途中にマカパインが仕掛けた罠があるが、ボルがいるならダメージは受けない。宝箱を全部回収した後で改めて一番東にある宝箱を調べるとイベント。穴に手を突っ込むのがダーク・シュナイダーなら次元刀ブースターが、ヴァイなら乙女の竪琴が手に入る。その後大峡谷へ

 

 大峡谷に入るとシーラ姫が助けを求めてきて、それを追って鬼忍将なる者が登場し、シーラ姫を連れ去っていく。その後イングヴェイとブラドが離脱

 

 先に進むとサイクスが登場し、追われているという事でアドバイスだけしてとっとと行ってしまう。更に先に進むと離脱したばかりのイングヴェイと合流

 

 砦の扉の前でザックと戦闘、勝利しても扉は開かないしザックも居座ったまま。再戦も出来るがやっても変わらないので無視して西に向かい風穴洞へ

 

 風穴洞に入ると何やら水音が聞こえる的なメッセージが出るが別に罠ではないので気にせず進む。最初の分岐で北に進むと人造湖に行けるが現時点では行っても何もないので西に進んで風哭きの谷間へ。また途中の窪みに降りるとストレンジワームと戦闘になり、勝つと奇蟲を入手

 

 風哭きの谷間を進んでいくと塔があるが、扉の鍵開けを試みていているロスに追い払われるので風穴洞に引き返して人造湖

 

 人造湖に行くとシェラが登場。秘された抜け道で乙女の竪琴を入手していたなら仲間に。女性キャラの仲間は初めてなので喜び勇んでパーティに加えてみたが微妙に使いづらい…。因みに次元刀ブースターを入手していた場合は先の大峡谷でサイクスが仲間になるようだ

 

 更に先に進むとバ・ソリーと戦闘。奇蟲を所持しているなら戦闘後仲間に

 

 その後改めて風哭きの谷間に戻ると風神塔の扉が開いているので中に入る

 

 本当は第1章の終わりまで攻略したかったのだが思いのほか長くなってしまったので今回はここまでにして続きは次回に

RPGのような漫画が原作のRPG

 前回の記事において私はジャンプ黄金期の第17期に連載が開始された「BASTARD‼」をRPGのような世界観の漫画と評した

 

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 そんな「BASTARD‼」だが、実はRPGになったのはご存じだろうか

 

 という訳で今回紹介するのはこちらのソフトだ

 

 BASTARD‼ 虚ろなる神々の器

 セタ 96年12月26日

 

 ところで、正直私は本ソフトの事を最近駿河屋の店頭で見つけるまで知らなかったし、皆も知らない人の方が大半だと思う。それも無理はない話だ。何せ本ソフトが発売された時期は原作の「BASTARD‼」が増刊送りになってから七年も後の事で、それだけ時間が経てば読者もだいぶ世代交代しているし、そもそもそれより約半年前に「SLAM DUNK」が連載終了してジャンプ自体黄金期から衰退期に入って読者が急減してしまっているのである。一応発売直後の97年5・6号に本誌連載復帰の前段として読切が掲載されたのだが熱心なファン以外の反応は鈍かったし、ましてやゲームが発売された事を知っている読者などどれだけいただろうか

 さておき、元々がRPGのような原作なのだから、RPGというジャンルとは相性が良いと思う人も多いだろう。それは基本的に正解であるのだが、一点だけRPGと相性の良くない設定がある

 それは、主人公であるダーク・シュナイダーが最初からメチャ強という所である。ここをそのままにしておくと序盤から超強力な魔法を使えてしまってゲームとして歯応えが無くなるし、かといってルーシェの中に封印されていた時では逆に弱すぎて爽快感がない

 この問題に対して本ソフトは何者かによって戦闘に関する経験を奪われたという強引な解決法を用いている。おかげでダーク・シュナイダーは最初は弱いが戦闘を重ねていく事で徐々に記憶を取り戻して強くなっていくという理屈で極めてオーソドックスなRPGの主人公に変化し、ゲームとしてもかなりオーソドックスなRPGに仕上がっている。ただし、経験と共に記憶まで奪われてしまった為に人間関係もリセットされているので原作のストーリーとは全く関係ない完全オリジナルになってしまっているが、まあ、原作はグダグダだし問題ないどころかプラスとも言えるだろう

 

 そんな本ソフトの目立つ特徴は2つあり、1つはキャラが4×4のマスに陣形を組んで配置され、戦闘中もキャラの移動が可能という戦闘システムである

 

 ここで重要になるのが互いの位置関係で、キャラが斜めに並んだ場合は斜め前にいるキャラが攻撃した時に斜め後ろのキャラが追加で攻撃してくれる攻撃補助を受けられ、斜め後ろのキャラは攻撃を受けた際に斜め前のキャラが代わりに攻撃を受けてくれる防御補助を受けられる

 この補助効果は重複するので例えば3人のキャラがくの字に並んだ場合、中列のキャラは前列のキャラからは防御補助を、後列のキャラから攻撃補助を受けられるし、Vの字に並んだ場合、後列のキャラは前列のキャラ2人からダブルで防御補助を受けられたりする

 

 ならば互いのキャラが何らかの補助を受けあえるよう常に斜めに並ぶのが良いのかと言うとそう簡単な話ではない。奥義(MPを消費して行う魔法や攻撃技の事)は強力なものになると使用する条件としてキャラが縦や横に2人、3人と並べなければならないので、雑魚相手なら補助重視で通常攻撃のみで済まし、強敵相手なら奥義で畳みかけるなど状況に応じて使い分ける必要がある。これは敵も同じなので、敵が斜めに並んでいる場合は追加攻撃を食らわないよう斜め前の敵から倒したり、3体が縦に並んでいる場合は強力な奥義を食らわないよう真ん中の敵を優先するなど柔軟な対応で戦闘を有利に運ぼう

 

 そしてもう1つの特徴は、フィールドが全て3DCGで描かれている事だ

 これについてはおそらくゲーム的な意図はないしメリットもない。この時代のゲーム界隈は3DCG技術が普及してきて一種のブームとなり、特に意味もないのに3DCGを使用するという目的と手段が入れ替わっているケースが多く、本ソフトもそうだっただけの話としか思えない

 しかも、本ソフトの場合はメリットがないどころかデメリットが大きいと感じられる。というのも、技術的な問題なのかフィールドに配置されるオブジェクトは少なく、かつ、ショボい。そのうえ視界が悪く先が見通せない為、どの場所でもたいして変わり映えしないからすぐ見飽きてしまうし自分の位置を見失いやすい。おまけにフィールドの広さに比べて移動速度が遅く、また、ファストトラベルなどの瞬間移動手段もないので移動にやたらと時間が掛かるなどストレスが溜まる要因になってしまっているのだ

せいぜいこの程度のオブジェクトしかない

 そのような不満点もあるものの、ゲームとして理不尽に感じる部分は少ないし話はオリジナルだがキャラ同士の会話などは原作の雰囲気を感じられるので、ゲームとしては普通、キャラゲーとしては佳作の部類と言えるのではないだろうか

 

ジャンプ黄金期の第17期を掘り下げる

 今回はジャンプ黄金期を連載作品の入れ替わりサイクル毎に掘り下げる記事の第17弾を

 

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 第17期は88年14号から24号までで連載作品は以下の通り。例によって並び順は連載開始時期が早い順で連載回数も併記しておく

 

 こち亀            76年42号 1955話 

 キャプテン翼            81年18号 356話

 北斗の拳           83年41号 245話

 DRAGONBALL         84年51号 519話

 CITY HUNTER         85年13号 336話

 ついでにとんちんかん     85年14号 210話

 魁‼男塾             85年22号  313話

 聖闘士聖矢          86年1・2号 246話

 山下たろ~          86年44号 178話

 ジョジョの奇妙な冒険     87年1・2号 774話(本誌連載分のみ)

 燃える!お兄さん       87年23号 201話(2含む) 

 ゴッドサイダー        87年24号 78話

 ゆうれい小僧がやってきた!  87年34号 41話

 ザ・モモタロウ        87年42号 109話

 はるかかなた         88年3・4号 20話

 BASTARD‼          88年14号 94話(本誌連載分のみ)

 ジャングルの王者ターちゃん♡ 88年15号 347話(「新」含む)

 セコンド           88年16号 6話

 

 新連載は前期限りで終了した「HARD LUCK」、「コスモス・ストライカー」、「おとぼけ茄子先生」と入れ替わりで開始された「BASTARD‼」、「ジャングルの王者ターちゃん♡」、「セコンド」の3本。連載作品数は3減3増で18本のまま変わらず

 「BASTARD‼」は87年47号に掲載された「WIZARD‼」を発展させた萩原一至の連載デビュー作で、当時流行していた「ドラゴンクエストⅢ」などのRPGを想起させるファンタジー的な世界観と女性キャラの肌の露出の多さで人気を博したが、原稿を落とした為に連載が中断、増刊送りに。その後ジャンプの低迷期に月1連載という特別待遇で本誌に復帰するがやはり中断してウルトラジャンプ送りになり、現在そのウルトラジャンプでも長い間連載中断中で再開する様子は微塵もない

 「ジャングルの王者ターちゃん♡」は徳弘正也によるターザンをパロったショートギャグマンガであったが、途中から「新ジャングルの王者ターちゃん♡」と改題してギャグを維持しつつもバトル路線に舵を切りアニメ化するなど大ヒット作となる

 そして「セコンド」は井上泰樹によるセコンド視点からボクシングを描いた異色のボクシング漫画であるが、黄金期中最短の6話で終了してしまう

 

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 連載終了作品は上記の「セコンド」に加え「はるかかなた」、「ゆうれい小僧がやってきた!」の3本。また、漫画ではないが不定期で掲載されていた「ファミコン神拳」が21号でとりあえずの最終回を迎え、翌月から「月刊ファミコン神拳」としてリニューアルされる事になる。そして読切作品は18号の「おやおや親父」1本のみで連載化はされなかったが、作者の新沢基栄は同年50号から「ボクはしたたか君」の連載を開始する事に

 短期終了作品は「セコンド」、「はるかかなた」の2本で全連載作品における占有率は.111で前期から半減

 当期中の主な出来事は16号で「キャプテン翼」が連載350回を突破、更に同作品を原作としたFCソフト「キャプテン翼」が当期中の4月28日に発売、同日に攻略本である「キャプテン翼 栄光へのスーパーシュート‼」も発売されている。17号では「ついでにとんちんかん」が連載150回突破記念(実際の150回は12号)に表紙を飾り、21号で「魁‼男塾」も連載150回突破。22号では「燃えるお兄さん」が連載50回を突破、また同作品は当期中の3月14日からTVアニメが放送開始し、16号で宣伝も兼ねて表紙を飾った。そして23号で「ゴッドサイダー」も連載50回を突破している

 連載作品の平均連載回数は334.89回、「こち亀」抜きだと239.59回。前期がそれぞれ312.56回と215.94回だったので大幅増

 「(新)ジャングルの王者ターちゃん♡」と「BASTARD‼」という、方や黄金期を代表する作品の1つ、方や未だに作者諸共良くも悪くも語られている作品と、印象的な作品を2つも輩出した第17期であった

クズ揃いの短編集

 今回はあまりジャンプのイメージが無い作家のジャンプ及び増刊で掲載された作品を収録した短編集を紹介したい

 

 それはこちらだ

 

 桃源郷

 甲斐谷忍

 

 作者の経歴については以下を参照されたし

 

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 収録作品は以下の通りで掲載誌も併記しておく

 

 桃源郷              95年スプリングスペシャ

 つるぎ一刀両断 正眼流奥義伝説  93年28号

 つるぎ一刀両断 女剣士不敗伝説  93年スプリングスペシャ

 悪魔が街にやってきた       93年ウインタースペシャ

 もうひとりの僕          91年手塚賞準入選作品

 

 ここからは収録作品の説明を

 

 桃源郷 

 

 本単行本の表題作。古代中国、燕の国の若者である李鴻は悪行三昧の末にお尋ね者の身になっていたが、偶然拾った巾着袋の持ち主である老人から3つの願いを叶えてやると言われ1つ目の願いで大河の向こうの趙の国に逃亡する事に成功、国のはずれに1人で住んでいる娘の鈴華の家に転がり込む。一緒に住んでいるうちにすっかり鈴華に惚れた李鴻は2つ目の願いで大金を手に入れて贅沢な暮らしをさせてあげるが鈴華は喜ばず、更に3つ目の願いで未来が見える水晶を手に入れて未来を覗いてみると、血を吐いて死んだ鈴華の姿が映っていた。どうしても鈴華を死なせたく李鴻は老人に頼み込み、万病に効くという桃の種を手に入れるが、その桃の木を育てるのには数々の苦難が待ち構えていた、という伝奇風漫画

 

 つるぎ一刀両断 正眼流奥義伝説 

 

 超人的な運動神経の持ち主である女子中学生の麻宮つるぎは、その能力を見込まれ色々な部活の助っ人を頼まれていた。ある日、勘違いから剣道部の主将に怪我をさせてしまったつるぎは代わりに鶴亀中との対抗戦に出ようとするも主将から剣道をなめるなと怒鳴られてしまう。意地になったつるぎは、剣道日本一の父の蔵書から剣術の奥義書を発見、それに書いてある風車という技を覚えようとするが、という剣道漫画

 

 つるぎ一刀両断 女剣士不敗伝説 

 

 上の作品と名前は同じだが設定的に別人である女子高生の麻宮つるぎは県の新人戦で男どもを倒して優勝を飾った凄腕の剣士である。ある日つるぎは早朝から竹刀の素振りをしている少年を発見、その少年が自分に勝つ事を目標にしている事を知ったつるぎは、面白半分に別人のふりをして少年の指導をしていたが、なんと練習試合でその少年と戦う事に

 

 悪魔が街にやってきた 

 

 出来の悪い悪魔のウバは、人間界に忍び込んで誰かに乗り移って人間を困らせるという課題を与えられる。乗り移る人間は善人の方が悪事を行いやすいと助言されたウバは、野良猫を撫でている高校生の諸藤をターゲットに定めて乗り移るが、諸藤は同級生からカツアゲするなど学校中から煙たがられる問題児であった。それでもなんとか悪事を働こうと色々騒動を起こすウバであったが、元の諸藤の方がクズな為逆に諸藤の株が上がってしまう

 

 もうひとりの僕 

 

 第42回手塚賞準入選作。転校の多い小学生白石和人は、転校当初は興味を持たれるのにそのうち皆が離れて行くいうパターンを繰り返し、そのストレスによってもう1人の自分の幻が見えるようになってしまった。そして7つ目の学校でもクラスに溶け込めなかった和人は皆からクラスリレーの出場を辞退させられるような雰囲気を作られ、一度はその通り辞退を口にしたが、もう1人の自分がやめろやめろと煽ってくるのに反発を覚え、前言を翻しリレーへの出場を宣言する

 

 以上の収録作品を読んで共通する作者の特色は、主人公がクズばかりという事である。「桃源郷」、「悪魔が街にやってきた」は言うに及ばず、「もうひとりの僕」も自分が周囲に溶け込めない原因を周囲に求める捻くれた上に冷めたクソガキだ。「つるぎ一刀両断 正眼流奥義伝説」だけは比較的まともだが、「つるぎ一刀両断 女剣士不敗伝説」の方は名前と見た目が同じのクソ女に成り下がっているし

 そして、そういうクズがある出来事をきっかけに考えを改めて苦難に立ち向かい、乗り越えるとよく頑張った偉いぞ、と言わんばかりのハッピーエンドという話が多いのだが、私はそんな展開にかの「こち亀」の両津勘吉が更生した不良に対して放ったこの言葉を贈りたい

 

 えらいやつってのは 始めからワルなんかにならねえの! 

 

 穿ち過ぎで意地の悪い意見だというのは自覚している。だが、「桃源郷」の李鴻なんかは作中の描写だけでも五年もの間悪行を重ね、その後も好き勝手やってきたクズ中のクズである。それが、赤の他人の為ならともかく惚れた女を死なせたくないという言わば利己的な目的でやった事を自分の命を投げ出すのも厭わない献身的なヒーローのように描かれるのには虫唾が走るのだ

 別にクズを出すなと言っている訳ではない。なにせこれを言った両津自体が身勝手で強欲なクズで、それでいながら作品の内外で人気がある訳だし、他にも人気のあるクズキャラは少なくない。だが、そういう人気のクズキャラはクズ行為というマイナスの行動に対し相応の報いを受けているのに対し、本短編集のクズどもはむしろ優遇されているから不快感が勝るし、いっそクズを貫いてもらった方がまだ清々しいとさえ思ってしまう。実際クズ過ぎて人気というキャラもいる訳だし

 作者も同意見だった訳ではないだろうが、後の「LIAR GAME」においては主人公の神崎直サイドにはクズは置かず敵サイドに福永や横谷といったクズを配置する事によってヒットを記録したのであった。いや、勿論そこが一番の要因な訳ではないが

終わらない夏に一服の清涼剤を

 暑い

 

 ここ数年も猛暑であったが、今年は特に酷く日本各地で最高気温や猛暑日の日数などの記録が更新され、9月に入った今も多少はマシになってきているものの相変わらず30度越えの日々が続いてウンザリしているのは私だけではないだろう

 そんな気持ちを少しでも紛らわそうと、今回は一服の清涼剤として海を舞台にした短期終了作品を紹介したい

 

 それはこちらの作品だ

 

 海の戦士(82年43号~52号)

 猿渡哲也

 

 作者は81年に棚渡哲也名義の「ショット!」で手塚賞準入選、翌82年ジャンプ1月10日号増刊号に「ロコ・ボーイ」が掲載されてデビューを果たす。更に同年フレッシュジャンプ8月号で「ブルーサーフ☆シティー」の掲載を経て43号から本作品で連載デビューを飾ったのであった

 ところで、猿渡哲也と言えば後の代表作である「高校鉄拳伝タフ」がそうであるようにバイオレンス溢れる男臭い作品が多い。そして本作品のタイトルが「海の戦士」となれば、清涼剤どころかむさくるしい髭もじゃのバイキングでも出てくるような暑苦しい作品なのではないかと警戒する人もいるかもしれない

 だが、安心して欲しい。本作品はタイトルに戦士などとついてはいるが、単行本1巻カバーイラストにサーフボードが描かれている事からもわかるように人間ではなく波を相手に戦うサーフィン漫画なのである

 プロサーファーである片桐良は、サーフィン王国であるオーストラリアで大会に出場、他の参加者を圧倒して優勝を果たす。そして表彰式で挑発的な態度をとっていた良の前にその大会には出場していなかった現役最強サーファーで怪物の異名を持つマイク・ロジャーズが突如登場、良がマイクに勝負を申し込むとマイクはオーストラリアでも随一の難所であるレッドリーフポイントでの勝負を提案する、というのが本作品のあらすじである

 サーフィン漫画なんて今の作者のイメージからは想像もできないが、実は当時の作者はデビュー作である「ロコ・ボーイ」(本単行本2巻収録)も、「ブルーサーフ☆シティー」(本単行本1巻収録)もサーフィンが題材というサーフィン大好き野郎だったのだ

 …といっても、やはり本性は隠しきれていないのか、題材が題材なのに既にバイオレンスも男臭さもにじみ出ていたりしていて、マイクとの勝負の場所であるレッドリーフポイントは巨大なサメが群生し、もしボードから落ちようものならサメに襲われるのは必須というサーフィンながら命懸けの戦いが繰り広げられるのである

 本作品を一言で表すならとにかく外連味が利いている。大ゴマをふんだんに使った見栄えのする画もそうだが、表彰式で観客がひしめいている会場にマイクが高級車で看板をぶち破りながら飛び込んでくるという登場をかまし、更にその車をヘリで吊り上げ、そのままレッドリーフポイントまで運んでいくなどの派手な演出の数々は正直意味がわからないが、とにかく読む者の度肝を抜き飽きさせないという意思が伺える

 だが、根本的な問題としてサーフィン、それも競技サーフィンという題材が良くなかった

 五輪種目となった現在ですらサーフィンをガチなスポーツと考えている人がどれだけいよう。ましてや連載当時の80年代においてはチャラチャラした連中がやっている波乗り遊びという認識で、競技サーフィンなんて知識も興味もないという人が大多数である

 そのあたりは作者も懸念していたのか大会のシーンでは色々説明セリフを入れていたのだが、それでも競技サーフィンというものに馴染みが無さ過ぎてあんまりピンと来ない、というか、そもそも興味ないものを長々と説明されても頭に入ってこない以前に読むのも面倒くさいというのが正直な感想だ

 結果、競技路線は早々に見切りをつけマイクとの戦いはサメを避けるデスゲームになった訳だが、こうなると最早まともなサーフィンからは逸脱してやっている事は「ジョーズ」などのサメ映画と変わらず、スリリングで見応えはあるのだが単発の話としてはともかく連載作品としては勝負が終わった時点で次の展望が見えない。その後も命懸けのサーフィン勝負を挑んでくる奴が現れても新味が無く「またか」にしかならないし、まさか競技路線に戻す訳にもいかないから八方塞がりである

 そして実際マイクとの勝負が終わった時点で作品も僅か10話にして終了、以降作者はサーフィン漫画を封印、当時の担当だったマシリトに言われるままラブコメ漫画の「本気でゲーム」を描いたり、本田一景堀井雄二の別名)原作の「あの娘はヘッド」を描いたりと試行錯誤、というか迷走の時期を経て84年14号から連載が開始された北芝健原作の「Mr.ホワイティ」で本格的にバイオレンス路線に目覚め、同作品はジャンプ向けではなく短期終了になるものの、以後は青年誌に活動の場を移し存分に持ち味を発揮する事になるのであった

 

手塚賞・赤塚賞を振り返る 5巻目

 今回は手塚賞・赤塚賞の受賞作品を振り返る記事の第5弾を

 

 目指せ漫画家!手塚・赤塚賞受賞作品集5

 

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 本単行本に収録されているのは89年下半期に開催された第38回手塚賞及び第31回赤塚賞受賞作計10本となる

 

 以下、収録作品と審査員による印象的な寸評を紹介する

 

 手塚賞入選 RUSH BALL・REMIX ジョン・M・隆克

 

 作者は同作品が90年7号に掲載されてデビューにして本誌初登場を飾る。が、それ以降は読切の掲載すら確認できなかった。内容は近未来を舞台にパワードスーツを着用して野球をするスーパーリーグの新人投手である東雲素直が1点リードの9回裏二死満塁という状況で初登板、いきなり最強打者のウルフとの対戦に臨むというギャグ成分多めの超人野球漫

 短評(弓月光)ラフな線ながら、自分の絵になっており、かき込みもなかなか。設定はおもしろいが、プラスαがほしい

 

 手塚賞準入選 デモンメッセンジャー 湯浅健

 

 作者は同作品が90年増刊ウインタースペシャルに掲載されデビュー。同年オータムスペシャルに「光と影」、91年スプリングスペシャルに「光と影 自分勝手な被害者たち」、オータムスペシャルに「ラスト転校生」、そして94年オータムスペシャルに「殴り屋ガード!」が掲載されるが連載を持つまでには至らなかったようだ。内容は、人の頭の中を読む事が出来る能力を持つ少年の六童りんが、学校一の問題児である宮木章丸とその取り巻きに絡まれるが…という超能力もの

 短評(阿部進)主題はわかりやすく、ストーリー展開もテンポがある。主人公にもうひとつ親しみがほしかった

 

 手塚賞佳作 魔女の街 岩丸

 

 作者は第35回に続いての佳作受賞。内容は、魔女狩りが横行している街で大道芸人のタックルが、財産目当ての領主と結託した異端審問官によって領民が魔女に仕立て上げられる陰謀を暴こうとするもの

 短評(本宮ひろ志)どういう絵が、かっこいいと思っているのか、どう表現したいのかがわからない。キメル部分がない

 

 手塚賞佳作 授業 比嘉慂

 

 作者はジャンプでのデビューは叶わなかったが、後にビッグコミック賞を受賞してデビュー。03年には沖縄戦を描いた戦争漫画「カジムヌガタイ」で文化庁メディア芸術祭マンガ部門の大賞を受賞している。内容は太平洋戦争末期の沖縄を舞台に、地下壕から発掘された古文書の筆写を任された教師と生徒が、出陣の前日に現在の沖縄戦と江戸時代の薩摩藩による琉球侵攻を重ねた内容の授業を行うという戦争もの

 短評(武論尊)マジメに読まされてしまう作品。ただし青年、大人に対するメッセージという感じがする

 

 手塚賞佳作 DIVINATOR 星選子

 

 作者については残念ながら何の情報も得られなかった。内容は占い師のミメイが少年に憑依した夢魔の除霊を試みるオカルトもの

 短評(松本零士)画風には強いクセがあるが、変な方向で固まらないように。ラストが単純なのが残念

 

 手塚賞佳作 ユダの刻印 北原諒子

 

 こちらも作者についての情報は何もなし。内容は魔界へ堕ちて悪魔の下僕になり、額に刻まれた裏切りの印を消す為魔王に人間の魂を捧げてきたユダが、極上の魂として目をつけていた奈々の魂を奪おうとするが…というもの

 短評(高橋三千綱)ストーリーに意外性を。女の子を魅力的に、ユダの正体も人間なのか、魔物なのかはっきりさせるとよい

 

 赤塚賞準入選 BATTLE ISLAND 中田周作

 

 やはり作者についての情報は見つからず。内容は巨大リゾート地を作る為に島を買収しようと暴力的な手段を駆使する池々組と、島を守らんとする住民との抗争を描いたギャグバトルもの

 短評(藤子・F・不二雄)単調。大げさな場面では、もっと、大胆にコマを使って、メリハリを利かせたい

 

 赤塚賞佳作 24日は送別式 渡辺航

 

 作者は93年増刊スプリングスペシャルに夏目春夫名義で「ウルトラガール」が掲載されてデビューを飾るがジャンプでは連載を持つ事が出来ず、2001年マガジンSPECIALにてナツメハルオ名義の「サプリメン」で連載デビューを果たすが短期終了。その後就職するも漫画家の道を諦めきれずに即退社、ペンネームを渡辺航に戻して漫画家としての活動を再開、幾つかの作品を経てチャンピオン08年12号から連載が開始された「弱虫ペダル」で大ヒットを飛ばす事となる。内容は片想いしていた同僚の明子先生が結婚退職する事になり、その送別会で生徒を使ってお祝いの人文字を作る事を頼まれた体育教師の崎の悲喜劇を描いたもの

 短評(永井豪)人物描写のさりげないウマさに感心する。ストーリーは今ひとつ。主人公に若さを

 

 赤塚賞佳作 飾りじゃないのよヘヴィメタは⁉ 安東慶周

 

 作者は同作品が90年増刊ウインタースペシャルに掲載されてデビュー。その後ペンネームをあんど慶周と変え同年サマースペシャルに「究極‼変態仮面」を掲載、92年16号から連載が開始される事になる。内容はヘヴィメタ少年の目樽と、目樽が想いを寄せるヘヴィメタ嫌いの由美子のシュールラブコメ

 短評(楳図かずお)絵がきたないのが残念。ヘヴィメタの立場からの学校ものというアイデアは面白い

 

 赤塚賞佳作 きっさてんPart2 野巣谷究吾

 

 作者についての情報は見つからなかった。内容は喫茶店でアルバイトをしている杉本智史と、老け顔の後輩佐伯が繰り広げるドタバタコメディ

 短評(鳥山明)オチに持っていくための内容なのにオチがなかった

 

 以上が89年下半期に開催された手塚賞・赤塚賞の受賞者である。手塚賞に第35回以来の入選者が出たものの入選作以外に音沙汰が無く、受賞者全体でもジャンプで連載を持てた者は1人のみ。その一方で一番出世したのはジャンプで連載を持つ事が出来ずに一度は漫画家の道を諦めた渡辺航というのは皮肉である

甲子園まであと何勝?

 現在全国高等学校野球選手権、所謂夏の甲子園が開催中で、本日は準々決勝が行われた。今年は広陵高校の不祥事というネガティブな話題で水を差され、例年に比べると若干盛り上がりに欠けるきらいもあるが、逆に言えばそれが大きな話題となっているのも注目度が高いからだろう

 一方、漫画界に目を向けると、選手たちの年齢層が漫画を読む人のボリューム層に近い事もあってか野球漫画全体を見ても「タッチ」や「ドカベン」(後にプロ野球編もやったが)などプロ野球よりも高校野球を題材にしたものが多い。これはジャンプの短期終了作品にも当てはまる事で、短期終了した野球漫画はジャンプの黄金期中に5つあるが、そのうち4つまでが高校野球を題材にしたものである

 ところで、漫画の高校球児が目標としているのは基本的に現実と同じく甲子園である。しかし、甲子園までの道のりは遠く、今年の例で見てみると予選参加校の一番少ない鳥取県でさえ最低4回は勝たなければならない訳だが、十話~三十話程度で終了する短期終了作品の中で甲子園に行けるまで話が進むものなのだろうか

 という訳で、今回はジャンプ黄金期に短期終了した高校野球漫画の「ショーリ‼」、「キララ」、「はるかかなた」、「チェンジUP‼」のうち、作中で甲子園に行けた高校が幾つあるのか、行けなかった場合は甲子園まであと何勝というところまで迫ったのか検証してみた

 

 連載開始順にまずは「ショーリ‼」から見ていこう

 

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 まず戦力について見てみると、主人公の江夏勝利が在籍する太陽学園は私立校であるが野球に力を入れている訳ではなく練習もせず遊んでいるような弱小校で、そこに中学野球で活躍していた江夏とそのライバルである早見優一が加わったぶん戦力が向上したが、それでもダークホース程度であろう

 そんな太陽学園は作中においては夏の甲子園ではなく春の甲子園につながる秋季大会に出場、ブロック予選の初戦で夏の甲子園出場校である関戸一高に7-0で勝利すると、次戦の創加高は4-3の逆転サヨナラ勝利、館川高相手には江夏がノーヒットノーランを達成して5-0の勝利を収めて都大会に進出、都大会の初戦で上野ノ山高に8-1と大勝したところで連載終了。都大会の出場校は64校であるからベスト32、甲子園出場まであと5勝というところまで迫っている

 

 次に「キララ」を見てみよう

 

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 主人公生沢輝良々の在籍する帝城高校は話の冒頭で東東京予選決勝を戦っており、3-0でリードして9回裏2アウトと、あと1勝どころかあと1アウトで甲子園というところまで行っている。…のだが、急に銀行強盗が乱入してきて試合は中断、輝良々は銃で撃たれてしまう。中断した試合はその後再開か再試合かされた筈で、その結果については不明であるが、輝良々は柴虎高に転校してしまうのでどのみち甲子園には出られない

 そして、柴虎では竜国高との対抗戦を行っただけで公式戦に出ないまま連載が終了してしまっている。なのでかなり憶測が入るがおそらく次の公式戦は秋季大会、柴虎の所在地は明示されていないが帝城と同じ(東)東京にあるとして都大会優勝まで9勝といったところか

 

 次に「はるかかなた」を見てみよう

 

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 主人公北条或太の青洋高校は前年夏の甲子園に東東京代表として出場し優勝を飾っていて、戦力は全国でもトップレベルの名門校だ。ただ、同校には部員を若獅子、若虎の2チームに分け、対抗戦で勝利したチームしか公式戦に出場できないという謎ルールがあり、前年の甲子園で優勝したのは若虎で今回出場するのは若獅子だから全く別のチームと言える。しかし、前年の優勝チームを対抗戦で破っているのだからチーム力は同等以上と見ていいだろう

 そんな青洋高校の予選の成績は2回戦から登場して田代農業相手3回コールドで勝利、他に試合が描かれたのは2-0で勝利した3回戦or4回戦の杜越戦だけだが、最終回で見送りを受けて新幹線に乗り込もうとするシーンなど、明示はしていないが予選を勝ち抜いたと思わせる描写が幾つもあるので推定ではあるが甲子園に出場するのだろう

 

 最後は「チェンジUP‼」

 

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 主人公長州冬馬の在籍する隼高野球部はろくに部費も与えられず同校の生徒から馬鹿にされるくらいのザ・弱小校であり、典型的な長州のワンマンチームである

 そんな隼高の予選の成績は孔雀坂高に2-1で勝利して二十五年ぶりに1回戦を突破、2回戦で優勝候補の若鷺高を相手に1点リードの9回裏2アウトまでこぎつけ、最後は結果を描かず歓声で沸いている球場の遠景で連載が終了しているが、おそらく勝利したと思われる。隼高の所在地がどこか作中で明示されていないが「キララ」や「はるかかなた」と同じ東東京地区と仮定すると、甲子園まであと5勝というところまで迫った事になる

 

 以上、4校中1校が推定ではあるが作中で甲子園出場を決めたという調査結果になった訳だが、皆さんはこの結果をどう感じただろうか。短い連載期間のうちに1校でも甲子園出場を決めたのだから大したものだと思っただろうか?

 私は逆にもっと多くてもいいと思った。というのも、短期終了でとりあえずの区切りをつける場合、地区予選優勝という1つの成果を上げつつ、本戦という未来を見据えて終了という形が一番収まりがいいと考えたからである

 

 最後に、ありがちではあるがこの4校が戦ったらどこが勝つか考察してこの記事を締める事にしよう

 本命はやはり前年夏の覇者である若虎を倒し4校のうち唯一甲子園出場を決めた青洋だろう。それに続くのはエース江夏の他に早見という突出した選手がもう1人いる太陽学園、3番手に長州のワンマンチームである隼となる。柴虎は輝良々以外のタレントも豊富ではあるが現状だと部員が8人しかおらず、対抗戦では数合わせで女子マネージャをメンバーに入れていたが公式戦では女子の出場は認められていないのでこのままでは不戦敗だし、仮にメンバーを補充したとしても学校が関東一の不良校なので不祥事を起こして辞退となる可能性があるので4番手とした

 ただ、試合結果を大きく左右するのは投手であり、4校とも投手に関しては優秀なのでどの高校が勝っても不思議はないだろう。何せ格下の弱小チームが下馬評をひっくり返すのはスポーツ漫画の定番であるのだから