当ブログでは前回まで実に6回もの長きにわたって「BASTARD‼虚ろなる神々の器」の攻略記事を掲載してきた訳だが、今回はその際に大層世話になった本を紹介したい
それはこちらだ
Vジャンプブックス[ゲームシリーズ]
BASTARD‼虚ろなる神々の器

そう、所謂攻略本というヤツである
元々ジャンプとゲームの関係はかなり古く、ジャンプで初めてゲームの記事が掲載されたのはまだファミコンの発売前でパソコンがマイコンと呼ばれていた82年40号の「マイコンは今ゲームランド‼」まで遡り、かの「ファミコン神拳」が開始されたのが85年36号。これはその発売によって本格的なファミコンブームを起こす事になる「スーパーマリオブラザーズ」の発売日よりも一カ月ほど早い

そして、攻略本が初めて発売されたのは「ファミコン神拳」のライターも務めていたゆう帝こと堀井雄二が手掛けた「ポートピア連続殺人事件」の攻略本「ファミコン神拳奥義大全書 巻の一」で、発売日はソフトと同日の85年11月29日と今も尚刊行が続いている老舗ゲーム誌の「ファミ通」(当時「ファミコン通信」)の創刊よりも前の事である

以来、Vジャンプが創刊されてからはこの本のようにVジャンプブックスレーベルで刊行されるようになったが、ジャンプ作品を原作としたキャラゲーなどの攻略本を現在に至るまで出版し続けて約四十年になるのだから、集英社は攻略本の分野においては老舗中の老舗と言えるだろう。しかも、言うまでもない事だが集英社は原作の「BASTARD‼」の出版元でもある
そんな老舗中の老舗であり、かつ、原作の出版元という言わばオフィシャル中のオフィシャルな本攻略本の一番の特徴は何かというと
薄い。この一言に尽きる

思い起こせば前述の「ファミコン神拳奥義大全書」の頃も薄かったのだが、それはゲームの容量が少なく、従って攻略に必要な情報も少ないので当然と言えば当然であり、同時期に他の出版社から発売された攻略本も大概薄かった。だが、時代と共にゲームの容量が増え、それに従って攻略本も厚くなってきているのにも関わらず、何故か(V)ジャンプ系の攻略本はいまだに薄いままのものが多いのである
因みに上で厚さの比較対象として挙げた発売時期の近いアスペクトの「(サターン版)タクティクスオウガ公式ガイドブック」と本攻略本と比べると両者は方やRPG、方やSRPGと近しいジャンルにも関わらず、「タクティクスオウガ公式ガイドブック」の総ページ数が330ページ超に対して本攻略本は半分以下の150ページちょっとしかない
何故そんなに薄いのか? 理由は読み比べてみればすぐにわかる。本攻略本はRPGの攻略本にはお約束のように掲載されている装備や消費アイテムの効果、敵や味方のステータスといったデータの類が皆無で、かろうじて各仲間が覚える奥義のデータがある程度なのだ
余談であるが私はこういった攻略本のデータを眺めるが好きで、既に攻略済みのゲームや、なんなら未所持のゲームの攻略本を何度も読み返しては悦に入るという趣味を持っている。そんな私からすると本攻略本は読んでいてあまり面白いものではなかった
薄い理由はもう1つある。これは本攻略本に限った事ではなくソフトの発売と同時や直後に発売された攻略本に共通する問題で、発売元との契約でそうなっているのだろうが、最後までしっかり攻略せず途中から情報が限られたものになってしまっているのだ
結果、本攻略本に収録されているのは主に3章までの攻略チャートと各フィールドのマップ、そしてマップの余白を埋めるようにそのフィールドで出る敵のグラフィックと簡単な説明文である。あとは袋とじが2つあり、1つは4章以降についてチャートもマップもなく展開に軽く触れるくらい、もう1つは仲間たちが加入する場所と加入させるヒントと、原作ファンにはうれしいかもしれないが攻略の役には立たない作者の描いたキャラのラフ画である
だが、冒頭で触れたとおりそれでも本攻略本はゲームを攻略するにあたって大層世話になった
攻略本のアイテムや敵のデータを眺めるのが好きな私であるが、敢えて問いたい。そういうデータは攻略に必要なものなのかと
わかり易くドラクエで例えてみよう。てつのたての防御力が幾つとかキメラのHPと経験値が幾つか知らない事でどれだけ攻略に支障が出るだろうか。てつのたての防御力なんて宝箱から入手したり店で売っているのを見ればわかるし、キメラの具体的なHPや経験値なんかよりも今の自分たちで戦って倒すのに苦労するか否かという感覚のほうが重要だろう
無論、それらのデータが全く役に立たないという訳ではない。事前にデータを知っていれば、ここでてつのたてを買うより次に行く町ではがねのたてを買った方が良いとか、このあたりでキメラを楽に倒せるようになるまでレベルを上げるよりも少し先にあるダンジョンでメタルスライムを倒した方が手っ取り早いとか、より効率的なプレイが出来るからだ
だが、その為にデータを掲載してページ数が増えた結果、本の値段が高くなるし、プレイの効率が上がってもその分データを参照する手間が増えるのだからあまり価値があるとも思えない。攻略チャートとマップ、それだけで攻略には充分なのではないだろうか。実際私も別に困らなかったし
一方、最後までしっかり攻略していない事については…正直大きな問題である。無理矢理擁護するなら、最後まで攻略本に従ってクリアしても味気ないし、少しは自分で試行錯誤する楽しみが残っていてもいいのではないだろうか
まあ、試行錯誤を楽しめる人は最初から攻略本を買わないし、身も蓋もない事を言うとそもそも現代では攻略情報なんてネットに溢れているから別に攻略本など必要ないのだが
それを考えると何故未だに攻略本が出ているのか、買っている人はどんな理由で買っているのか謎である。まさか私のようにデータを眺めるのが好きな人なんてそんなにいないだろうし…




































































































































































































