今回はジャンプの黄金期を連載作品の入れ替わりサイクル毎に掘り下げる記事の第１１弾を
第１１期は８６年５２号から８７年１３号までで連載作品は以下の通り。いつものように並びは連載開始順で連載回数も併記しておく
こち亀 ７６年４２号 １９５５話
キン肉マン ７９年２２号 ３８９話
ハイスクール！奇面組 ８０年４１号 ３３９話（「三年奇面組」含む）
キャプテン翼 ８１年１８号 ３５６話
北斗の拳 ８３年４１号 ２４５話
銀牙 流れ星銀 ８３年５０号 １６４話
きまぐれオレンジ・ロード ８４年１５号 １５６話
DRAGONBALL ８４年５１号 ５１９話
CITY HUNTER ８５年１３号 ３３６話
ついでにとんちんかん ８５年１４号 ２１０話
魁‼男塾 ８５年２２号 ３１３話
聖闘士聖矢 ８６年１・２号 ２４６話
赤龍王 ８６年１３号 ５０話（本誌掲載分のみ）
空のキャンバス ８６年３３号 ５９話
山下たろ～ ８６年４４号 １７８話
キララ ８６年４７号 １５話
アカテン教師梨本小鉄 ８６年５２号 ３０話
ジョジョの奇妙な冒険 ８７年１・２号 ７７４話（本誌連載分のみ）
スタア爆発 ８７年３・４号 １９話
新連載は「くおん…」と入れ替わりで開始した「アカテン教師梨本小鉄」、「ジョジョの奇妙な冒険」、「スタア爆発」の３本。連載作品数は、前期の半ばで終了している「ハッスル拳法つよし」も含めて２減３増の１９。また、当期からは期間の半ばでの連載作品の入れ替えがなくなり通常のサイクルに戻っている
「アカテン教師梨本小鉄」は春日井恵一の本誌初登場にして連載デビュー作であるが、主人公もテーマも少年向けとは言えず、打開策として教師漫画ながら途中でバトル路線に方向転換を図るが人気を獲得する事は叶わず短期終了、「ジョジョの奇妙な冒険」は対照的にスリラー色を押し出した当初は奮わなかったものの、一部途中から波紋というギミックが登場してからプチブレイク、三部からは波紋を更に発展させた幽波紋という概念を生み出して本格的にブレイクし、掲載誌を替えつつ今も連載が続く大ヒット作となる。そして「スタア爆発」は幡地英明による芸能漫画だがテーマも作風も地味過ぎて短期終了となってしまう
第１１期を以て終了した作品は「キララ」と「銀牙 流れ星銀」、そして厳密には終了ではなくスーパージャンプへの転籍ではあるが「赤龍王」の３本。読切は高橋陽一による「BASUKE」が５号と６号に連続掲載、車田正美の「SHAKA」が１３号に掲載されたが、両作者共に既に連載を持っていた為当然連載化は無し
短期終了作品は「キララ」、「アカテン教師梨本小鉄」、「スタア爆発」の３本で、前期と数は変わらないが連載作品数自体が増えたので占有率は.0158とダウン
当期の主な出来事としては８７年１・２号で「県立海空高校野球部員山下たろーくん」が連載中断、逆に１２号からは「きまぐれオレンジ・ロード」が連載再開している。そして前期の記事でも述べたが８６年５２号で「聖闘士聖矢」が連載５０回を突破しているが、５０回記念で表紙を飾るのは何故か８７年７号まで待たなければならなかった。他には５号で発行部数が４５０万部を記録した事を報告、１１号で「CITY HUNTER」が連載１００回を突破、１３号では通巻９５０号を記録すると共に「ついでにとんちんかん」が連載１００回を突破している
また、誌外に目を移すと８７年１月２６日に「ドラゴンクエスト」の続編となる「ドラゴンクエストⅡ悪霊の神々」が発売している。前作は人々にまだRPGというジャンルが一般的ではなかった為に発売当初は苦戦したが、ジャンプによる猛プッシュもあって今作が発売された頃にはすっかり定着していたので発売日から売れまくり各地で品切れが相次ぐ事態に。因みに私は発売日に買えるようにと予約していたのだが、タイミングが遅かった為に結局発売日に買えなかった…
連載作品の平均連載回数は334.37回で「こち亀」抜きだと244.33回。前期がそれぞれ308.39回と211.53回なので大幅に増えている
ブレイクまではまだ時間は掛かるが黄金期の終わりまでどころか今も尚連載が続いている「ジョジョの奇妙な冒険」が始まった反面、本宮ひろ志と平松伸二はこの後ジャンプでは読切は掲載されたものの連載を持つ事は無くなったという時代の潮目が見えた第１１期であった
