黄金期ジャンプの影

主にジャンプ黄金期の短期終了作品について語ります

高騰化する短期終了作品たち

 前回の記事の最後で触れたが、「コスモス・ストライカー」の単行本は現在結構なプレミアがついていて入手は困難な状況である

 

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 そして、プレミアがついている短期終了作品の単行本はこれだけではない。私は昔から短期終了作品が好きであったが、全ての短期終了作品が好きという訳でもないし、そもそも昔は欲しい単行本を全部買う財力も無かった。なので、本当に欲しかったもの以外はこのブログを始めてからヤフオクやメルカリ、マケプレなどで探して買うようになったのだが、一部の作品は「コスモス・ストライカー」同様にプレミアがついているし、時間が経つにつれて更に値が上がっていると肌で感じている

 そこで今回は短期終了作品のプレミア化についていろいろ思うところを語っていきたい

 

 まず、どんな作品がプレミア化しているのか、私が購入した時の値段で高かった順に3つほど挙げておこう

 

 第3位 ミスター♡ライオン

 

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 その値段は、正確な数字を出すのはいやらしいのですこしぼかすが送料込みで2000円を少しばかり超えるくらいである

 なんだ、プレミアという割には大した値段じゃないな、とお思いかもしれない。確かにそうも言えるが、よく考えてみて欲しい。元が400円もしない本が中古で5倍以上に上がっているのだから充分過ぎる程高いのだ。あなただってジャンプコミックス1冊にそれだけのお金を出したいと思うだろうか。新刊でも出したくないと思う人が殆どの筈だ

 

 続いて2位 コスモス・ストライカ

 値段は2冊セットが送料込みで4500円に少し届かないくらいで、1冊あたりの値段は僅かに「ミスター♡ライオン」を上回っている。しかもこの値段は状態が悪い品を購入した為で、状態がマシなら1000円くらいはアップしている。というか、他の出品物は皆ヤフオクのスタート価格が5000円を超えていたので、状態に目をつぶって購入を決めたのである

 

 そして第1位 アニマル拳士

 

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 値段はやはり送料込みで2500円を少し超えるくらいで、総額だと「コスモス・ストライカー」より安いが1冊あたりの価格では上回る。以上が割とどんぐりの背比べな感じもするがプレミアベスト3である

 ただしこれはあくまで私が購入した値段であり、「コスモス・ストライカー」で述べたように状態などで値段が上下するうえ、相場がキッチリ決まっている訳ではないので特にヤフオクやメルカリのような個人売買では値段に幅が出る事は断っておく。実際メルカリで「コスモス・ストライカー」の最近の取引履歴を調べたところ、高い値段では6000円を超えていた一方、最安ではなんと600円で我が目を疑った。私が探していた時はそんな値段で出品されている事など無かったのに…

 

 さておき、何故プレミア化が起きているのだろうか?

 まず言えるのは、短期終了作品の単行本だけじゃなく多くの商品に当て嵌まる事だが、転売が横行している為に需要が無駄に増えているという事である。最近では米不足のせいで米までが転売の対象になってしまったし、私のもう1つの趣味であるゲーム関連なんかは加えて外国人が買い漁っている為にプレミア化が一層激しく、元値が高い事もあるが中には十万どころか百万を超える商品もあるくらいだ

 

 では、その中でもなぜ上に挙げた作品が特にプレミア化しているのかというと、そこには2つの理由が考えられる

 まず1つは、通常のジャンプコミックスではなくジャンプスーパーコミックスだという事である。以前の記事で触れたがそもそもジャンプスーパーコミックスレーベルは売れる見込みの少ない作品の単行本を出版する為のレーベルであり、そうであるからには当然発行部数も流通数も少なくなる訳だ

 

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 そしてもう1つは、作者が漫画界で殆ど目立つ事無く消えてしまったという事である。ジャンプスーパーコミックスレーベルは売れる見込みが少ないというのはあくまで見込み、それも出版時点での話で、実際売れないのが殆どだが「カメレオンジェイル」は作者が後に「SLAMDUNK」で大ブレイクした為に重版を繰り返して100万部を超えたという話もあるし、「ああ一郎」なんかは一度絶版になったのに作者が「県立海高校野球部員山下たろーくん」でヒットを飛ばしたらカバーデザインを替えて復刊したりと後付けで注目されて売れる要素が出てくる場合もある

 一方上に挙げた3作品の作者を見てみると「コスモス・ストライカー」の戸舘新吾は同作品以外の連載作品は、やはり短期終了してしまった「クライシスダイバー」のみ、「ミスター♡ライオン」の大西志信は他にフレッシュジャンプ不定期で掲載されていた「ACEー001」くらい、「アニマル拳士」のやぎはし正一はフレッシュジャンプや増刊に読切が掲載されたのみで三者とも注目される事がないまま程なくジャンプどころかそれ以外でも作品を発表する事が無くなった為に後付けで売れる要素が皆無だったのだ

 つまり、元々出版当時に売れる見込みがなかったものが後付けで売れる要素もなかったので初版が少ないうえ碌に重版もされず絶版になった為、短期終了作品の中でも数が少なく希少性が増してしまったという訳である

 

 ところで、プレミア化した単行本は、その価値に見合うくらい面白いのだろうか?

 プレミア化した理由からもわかると思うが、ハッキリ言うとそんな価値は全く無い。私はジャンプの黄金期に連載された短期終了作品を揃えたいという目標があったので値段が高くても購入したが、そうじゃなければ購入していなかっただろうし、読んだ感想は作風が自分の好みではないというのもあるが購入して後悔とまでは言わないが、一度読んだらそれっきり殆ど読み返す事もないのに高い買い物だったなと思ってしまった

 だからとて、これらプレミア化した単行本は購入すべきでは無いなどと言うつもりはない。何に価値を見出すかは人それぞれであるし、作品に思い入れがあってどうしてももう一度読みたいなどと思っているなら止める道理も無い。プレミアと言っても今はまだ高々数千円なので、躊躇しているうちに更に値上がりしたら目も当てられないし

 ただ、勢いで購入してしまう前に、自分は本当にその値段で購入するほど必要としているのか、一度胸に手を当てて冷静に考えた方がいいと忠告しておく