意味深な題名にしてみたが、ここで言う仮面とは単行本についているカバーの事であり、要はカバーの下の地を見せるという意味なので、スキャンダラス的なものを期待した方はガッカリさせてしまって申し訳ない。しかし、考えてみると私たちは表紙絵というとカバー絵を連想してしまう程カバーがついているのが当たり前の事となってしまい、単行本を雑に扱っていた子供の頃を除くとカバーの下を見る機会はあまり無いのではなかろうか。それが短期終了作品だと尚更に。え?そもそも短期終了作品はカバーを見る機会もあまり無いって?。それを言っては身も蓋もないではないか
そんな訳で今回は普段見る事のない短期終了作品の単行本カバーの下の地の表紙を色々見て頂きたい
まずは毎度お馴染み成合雄彦の「カメレオンジェイル」から
御覧の通りカバーデザインとはうって変わってタイトルロゴと作者名など最低限の情報のみという非常にシンプルなデザインとなっている
このタイプは古い作品の多くが該当し、メジャーなところでは「こち亀」もワンポイントで両津と中川の顔が描かれているが基本的にはこのタイプと言えよう。100巻を超えたあたりでデザインが変わってしまったけど
次に見て頂きたいのはこちら
自分で見せておいてなんだが、カバーデザインと全く同じで三色刷りになっただけという面白みのないデザインだ
このタイプは時代が新しくなると共に上に挙げたタイプにとって代わって主流となっている。多くの単行本は以上2タイプのどちらかと、そのバリエーションだ
バリエーションの一例としてはこんな感じ
カバーイラストの一部を流用して枠で飾っただけだが、それだけで結構印象が違うエコなデザインだ
数はそんなに多くないが、カバーデザインとは全く別のデザインをわざわざ用意したパターンもある
同タイプであるがデザイン的に絵よりロゴに力を入れたものもある。前回紹介した「ZOMBIE POWDER.」も自己主張は激し過ぎるがタイプとものはこれに該当するだろう
これなんかはシンプルだが、作品とマッチしていて個人的に好きなデザインだ
このパターンは大抵全巻共通のデザインである事が多いのだが、中には各巻でデザインが違うのもある
こういう場合はラフスケッチや設定画を流用するのが殆どで、ここまでしっかりしたのは珍しい
珍しいといえば裏表紙にもデザインが施されているパターンもある
まずは通常の単行本の裏表紙を見て頂こう
こんな風に大抵の単行本の裏表紙は無地で中央にJCマークがあるだけのシンプルなもので、あってもせいぜい表紙のベースの柄を流用している程度だ
次にこちら
これなんかは凝ったデザインで流石小畑健だと感心させられる。が、それでも表紙の地を裏表紙にも利用しているに過ぎない。まあ、そもそも実際にデザインしたのは小畑健本人ではなくデザイナーだろうし
で、これが裏表紙にもデザインが入っている珍しいパターンだ。私の調べた範囲では他に裏表紙に独自のデザインを施しているものは殆ど無かった
と言ってもタイトル文字が裏まではみだしているだけなのだが、派手な色使いといい、作者の宮下あきらとマッチしていて味わい深い
参考までに三大少年漫画誌の他の二誌のカバーの下も少しだけ見て頂こう
まずはジャンプ最大のライバルであるマガジンから
週刊月刊問わずどの単行本も皆同じデザインという無個性ぶりで、文字のフォントもつまらない。私が子供の頃、家には誰が買ったのか不明だがマガジンコミックスが何冊かカバーの無い状態で置いてあり、理由は自分でもよくわからないのだが それを見て強い嫌悪感を抱いた記憶がある。私がマガジンを殆ど読まないのはそれが理由の1つなのかもしれない。後にはデザインが変更されて、しかもカバーと下の地が同じというケースも多くなっているので今では見られないデザインだ
そしてサンデー
私が調べた限りでは「ジャストミート」や「タッチ」などもこのタイプで、80年代半ばには既にカバーと下の地が同じデザインが主流となっていたようだ。ジャンプでこのタイプが主流なるの80年代末期から90年代初頭あたりで、マガジンは更に遅い。三大少年漫画誌の中では常にジャンプ、マガジンの後塵を拝してきたサンデーだが、この分野においてはサンデーが先駆けで他誌が追随する形となっている。まあ、それにどんな価値があるのかはわからないが
他にも見せたいものは沢山あるが、まだ記事にしていない作品については今後記事にする際にカバーの下も披露するようにしたいという事で、今回はここまでとする
最後に、これを見てカバーの下に興味を持つ奇特な人がいるとも思えないが、もしいたならば、ブックオフなどに出かけて売り場の本のカバーを片っ端から剥いて回るような事はしない方が良いと忠告しておく。私もこの記事の為に近所のブックオフでやってきたのだが、小心者には他人の目が気になってデザインが殆ど頭に入らなかった。ので、ちゃんと単行本を購入して家でじっくり見るように。尚その際は電子書籍版を購入しないよう重ねて忠告する。他の出版社の電気書籍の中にはちゃんとカバー下の地の部分も入れてくれているところもあるが、ジャンプコミックスについては入っていない(少なくとも私の手持ちの電子書籍はそうだった)ので金の無駄になるからだ。…いや、中身は普通に読めるので無駄ではないか