黄金期ジャンプの影

主にジャンプ黄金期の短期終了作品について語ります

まだいるジャンプの狩人たち

 今回紹介するのも「モンスターハンター」に因んでハンターと名の付く作品である

 因みにゲームの方の「モンスターハンター」のプレイ状況は、加齢の為かすぐに目が疲れてしまったり、咄嗟に翔虫受け身を取ろうとするとよくZLとLを間違えてショートカットを呼び出してしまった挙句砥石を使用して無防備な姿をさらしてしまったり、いまだに砂原のマップが把握していなかったりとダメダメだが、それでも回復薬をガブ飲みして時間を掛ければ何とかなるもので、マガイマガドを倒して一段落したところだ。今後も何とかなるかはわからんが…

 それはさておき、紹介する作品はハンターと名の付くといっても「HUNTER×HUNTER」ではない、とこれは前回も言ったか。更に言えば「CITY HUNTER」でもない。アレは黄金期の作品ではあるが短期終了作品ではないので。と言いつつ、今回紹介するのはジャンプ本誌に連載された作品ではないのだが

 それはこちらだ

 

 不思議ハンターSpecial

 黒岩よしひろ

 

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画像は電子書籍

 

 本作品の作画を担当する黒岩よしひろのデビューまでの経歴は、少し前に紹介した「サスケ忍伝」で触れたのでそちらの方を参考にして頂きたい

 

shadowofjump.hatenablog.com

 「サスケ忍伝」が僅か10話で終了した後は、翌87年22号からは「魔神竜バリオン」の連載が開始される、が、こちらも僅か11話で終了。更に88年23号からは「変幻戦忍アスカ」の連載が開始される、が、やはり僅か18話で終了と相成ってしまう。3作品を合わせても39話、単行本にして4冊(サスケ忍伝1、魔神竜バリオン1、変幻戦忍アスカ2)という結果では、普通はとっくに見切りをつけられてもおかしくないのだが、それでもまだチャンスを与えられるのだから、編集部は作者にどれだけ期待していたのだろうか。とは言え、さすがにこれまで通りにさせておく訳にもいかず、まずは本誌ではなく増刊で掲載して反応を確かめる事にしたようだ

 そんな本作品は、不思議な出来事を依頼を請けて解決する不思議ハンターを自称する雷門竜太、空子の兄妹が、怪奇現象の解明に挑む伝奇漫画である

 さて、黒岩よしひろ作品の特徴と言えば魅力的な女性キャラと露出多めなシーンであるが、当然本作品でも健在だ。主人公兄妹の片割れである空子は勿論、エピソード毎に女性のゲストキャラが登場するシステムは、もしやハンター繋がりという事で「CITY HUNTER」を意識したのだろうか…そんな訳ないか

 一方、ストーリーについては 、作者がこれまで連載した3作品は、話としては多少の差異があるとはいえ、基本的には強力な力を手にした主人公が悪の軍団と戦いを繰り広げるという戦闘ヒーローもの一辺倒で、話作りの引き出しに欠けるのか、それとも好みまで師譲りなのかわからないが、どちらにしろジャンプではあまり受けない作風だった。それが本作品では、さすがに自身も3回連続の短期終了という結果を見てここが正念場だと思ったのか、あとがきによるとネームにだけで一ヵ月から二ヵ月もかけ、これまで温めていたアイデアを詰め込んで通常なら100ページを超えていたものをブラッシュアップして雑誌掲載サイズに切り詰めたという気合の入れっぷりである

 基本的な話としては前回紹介した諸星大二郎の「妖怪ハンター」と同じく、ハンターと言っても物理的に狩るのではなく原因の解明、解決を主題としているのだが、作者は絵を描く事に比べると話を作る方はあまり得意ではないのか、それだけ時間をかけたわりに正直話としては安直な勧善懲悪ものが多く、登場する妖怪も天狗だの河童だのメジャー中のメジャーなものばかりと、「妖怪ハンター」と比べるとオリジナリティにおいて見劣りがするのは否めない。が、諸星作品がこの時点の作者と同じく3回連続短期終了した事を考えると少年漫画としてはそのくらい単純明快の方がいいのかもしれない。一応作者なりにひねりを効かせてちゃんとオチをつけているし、そこに女性のゲストキャラを絡めているあたり、自分の特性をしっかり生かしていると言える。人間、追いつめられるといつにない力を発揮できるというのはまさにこの事か

 その懸命さが功を奏し、本作品は88年ウインタースペシャルから89年オータムスペシャルまで増刊で4号連続という長めの使用期間を経て、ついに連載を勝ち取る事となる。そして作者のジャンプ4度目にして最後の闘いが始まるのであった

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ハンター3人揃い踏みの図