黄金期ジャンプの影

主にジャンプ黄金期の短期終了作品について語ります

短期終了作品は質の劣っている作品なのか?

 以前私は「短期で終了してしまったとしても黄金期のジャンプで連載を持つ事が出来ただけでも大したものだ」みたいな趣旨を述べた事がある

 しかし、それを聞いたとしても「と言っても、所詮はすぐに打ち切りを食らった質の劣っている漫画だろう」と思う人もいるだろう

 そういう人には問いたい。何をもって質の劣っていると言っているのかと

 だって普通の漫画は短期で打ち切りにならないって?

 ならば以下の図を見て欲しい

 

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黄金期の間に連載が開始された作品は全部で153でした

 

 これは黄金期の間に連載が開始された作品が単行本にして何巻まで続いたのかをグラフにしたものであるが、御覧のとおり全作品中の実に3分の2までが短期終了作品であり、しかも全2巻以下の作品が半分を占めている

 逆に10巻以上も続いた作品の数は2割に過ぎず、全1巻で完結した作品よりも少数なのだ

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年代別だとこんな感じ

 考えてみればこれは当たり前の話である。平均して月に1作品以上の割合で連載が開始されるという事は、同程度の割合で連載が終了する事だから平均連載回数はそんなに多くなる筈はない。加えてこち亀などの極一部の超長寿作品が平均値を押し上げているので中央値はもっと下がり、全2巻という数字になる

 さて、普通の漫画とはどのような漫画なのか?数字の上では2巻で完結する漫画が最も平均的な普通の漫画と言えるのではなかろうか、つまり短期終了作品こそが

 そんなのは数字のマジックに過ぎないという反論もあるだろう。そう考えるのは自由だし、私も別に説得出来るなどとは思っていない

 だが、これだけは声を大にして言いたい

 短期終了作品の質が特別劣っているのではない。長期にわたって連載が続く作品の質が特別優れているのだと