黄金期ジャンプの影

主にジャンプ黄金期の短期終了作品について語ります

短期終了作品

昭和のGTO

黄金期ジャンプの短期終了作品を紹介しようと始めた当ブログも気付けば明日で開設してから丸二年になる。こんなブログを続けているのだから改めて言う事でも無いが、私は短期終了作品が好きだ。それは即ち読者アンケートが芳しくない作品を好きだという事で…

早すぎた変節

以前「タイムウォーカー零」を紹介した時にも触れたが、元々冒険活劇だった「DRAGONBALL」がいつの間にかバトル漫画になったように、作品をジャンプのカラーに合うよう改変する事をジャンプナイズと言い、これによってジャンプを代表する人気作が幾つも生ま…

世にも奇妙なえんどコイチ

8月もあと一週間余りで終わりである。まだまだ残暑は厳しいものの私の住む地域では夜は過ごしやすくなり、セミの鳴き声に混じって鈴虫の鳴き声も聞こえてくるようになってきて、ゆっくりながらも着実に秋の訪れを感じる今日この頃だ という訳で、今回は少し…

時代が早すぎたレスリング漫画

前回当ブログで紹介した「ノーサイド」のラグビー同様に、急激にメジャー化したスポーツというのは他にも結構ある。カーリングもオリンピック中継で大々的に取り上げられる前はどマイナースポーツだったし、スケートボードなども昨年行われた東京オリンピッ…

ラブコメ-ラブ-コメ=

最近、という程最近でもないが、ラグビーのW杯が日本で開催されて以来、選手が一般メディアやTVCMにちょこちょこ登場したり、BSではあるがレギュラーのラグビー情報番組が開始したりとラグビーが急激にメジャースポーツ化した感がある と言っても、以前はマ…

文字通り伝説となった物語

前回「大相撲刑事」を紹介した時に話の枕として大相撲の話題を出して呑気に優勝争いについて語っていたが、その後、日が進むごとに次々と休場者が出てえらい事になるとは思いもよらなかった。まったくコロナとは怖ろしいものである さておき、今回はその際に…

相撲ブームが生んだ怪作

今日現在、大相撲名古屋場所は十日目を迎え、既に無敗どころか1敗の力士すらなく優勝争いが混沌としてきている。…などと書くと鋭い方は先読みして、さては今回紹介するのは相撲漫画の「力人伝説 鬼を継ぐ者」だなと思うかもしれない 外れである 今回紹介す…

ACEを狙え

先日行われたウインブルドンは、女子はリバキナの、男子はジョコビッチの優勝で幕を閉じた。などと言った場合、多くの人は程度の差はあれど「ああ、テニスの大会の事だな」と理解するだろう。これが例えば少し話題が古いが、スーパーボウルはラムズが勝利し…

ハンター×ハンター(HUNTER×HUNTERではない)

本日は「モンスターハンターRISE」の大型DLC、「サンブレイク」の発売日である。思い起こせば「モンスターハンターRISE」の発売時、当ブログではタイトルそのままの「モンスターハンター」をはじめ、ハンターと名の付く作品を色々紹介したものだ shadowofjum…

黄金期終了後のジャンプを牽引した男

前回の当ブログで、二十六年前の96年6月17日は「SLAM DUNK」の連載が終了したのと同時にジャンプの黄金期が終了した日だと述べた。であるならば必然的にそれより一週間後の本日、96年6月24日は黄金期終了後初めてのジャンプが発売された日となる …

ジャンプロボット大戦

前回当ブログではロボットが主人公である「SCRAP三太夫」を紹介したわけだが、ロボットが登場する漫画は他にも数が多い。古くは「ロボット三等兵」や「鉄腕アトム」から始まり、メジャー中のメジャー作品である「ドラえもん」、ジャンプでは「Dr.スランプ」…

原点回帰し過ぎ問題

黄金期の終焉から早や二十五年が過ぎ、当時の誌面を彩った漫画家の多くは第一線から引いており、鬼籍に入った者も見られる。中には荒木飛呂彦のように今も尚現役バリバリで存在感を放っている者もいるが、数少ない例外と言えるだろう そんな例外の1人として…

青春の迷走

早いもので今週末からGWである。この春から新たな生活を始める事になった新入生や新社会人はそろそろ環境に慣れ、期待に胸躍らせた気持ちも不安に苛まれた気持ちも一段落した頃だろうか。…まあ、かく言う私がそんな環境にあったのは20世紀の話になる訳だが…

希少な赤塚賞入選者

前回当ブログでは「地獄先生ぬ~べ~」の原作担当である真倉翔が自分で作画も手掛けた「天外君の華麗なる悩み」を紹介した。であるなら、今回は「地獄先生ぬ~べ~」の作画担当である岡野剛が自分で原作も手掛けた作品を紹介するのが筋であろう 筋と言っても…

真倉翔の華麗なる転身

当ブログでは前回、原作・原案付き作品という括りで記事を書いた。その流れで今回は、とある有名な原作・原案付き作品の原作者が、自身で作画まで手掛けた作品を紹介したい …まあ、表題に名前が入っているので察した人も多いだろうが。そう、今回紹介するの…

ジャンプ版「逃亡者」

「逃亡者」という古い海外TVドラマがある 無実の罪で逮捕されて死刑判決を受けた主人公が護送中に脱走し、自分で真犯人を見つける為に逃亡生活を続けるという内容で、制作された米国はもとより遅れて放送された日本でも高視聴率を記録した それだけにとどま…

桂正和の迷走

以前紹介した「超機動員ヴァンダー」の記事でも述べたが、桂正和という漫画家はコンスタントにヒットを飛ばしている印象があるが、実は初連載作品であり初ヒット作でもある「ウイングマン」から「電影少女」で次のヒットを飛ばすまでに約四年もブランクがあ…

すもももロボも

前回の当ブログの記事で、こせきこうじの事が語られるのは皆無であると述べたが、考えてみれば黄金期ジャンプで活躍した他の漫画家も同様の者が多い。なにせ黄金期が終焉してから既に二十五年以上が経っており、現在ではその頃の作品を読んだ事が無いという…

涙と泪と男と女

前回の当ブログの記事にてマイナースポーツ漫画の難しさを述べた際にも少し触れたが、メジャースポーツ漫画にもメジャースポーツ漫画なりの難しさがあり、ジャンプにおいて連載されたメジャースポーツ漫画はマイナースポーツ漫画の比ではない程多いが、短期…

マイナースポーツの悲哀

気付けば北京オリンピックも次の日曜日で閉会式を迎えようとしている。フィギュアスケートなど一部競技に対する注目度が非常に高かった一方で、昨夏に行われた東京オリンピックに比べると全体的な盛り上がりに欠けていると感じるのは、自国開催ではないとい…

柳の木の下に河童は何匹?

前回当ブログで紹介した「水のともだちカッパーマン」は河童(厳密には河童と人間とのハーフだが)が主人公というなかなかニッチな作品であった 長い歴史を誇るジャンプでも流石にそんな作品は他に無いだろうと思う方もいるかもしれないが、それは甘い。黄金…

気触れつちまつた悲しみに

今回紹介するのはこの作品である 水のともだちカッパーマン(95年45号~96年30号) 徳弘正也 さて、作者と言えば以前当ブログでも紹介した「ターヘルアナ富子」の連載終了後、88年15号から連載を開始した「ジャングルの王者ターちゃん♡」が途中…

ガキ大将に魅せられた者たち

前回の「男坂」の記事において、同作品は本宮ひろ志の「男一匹ガキ大将」を参考にして描かれたという事を述べた。ところで、黄金期ジャンプの連載作品の中には「男坂」以外にも「男一匹ガキ大将」を参考にした作品が存在する事をご存じだろうか その作品とは…

日本一有名な短期終了作品

当ブログでは前回紹介した「RASH‼」、そして以前に紹介した「BAKUDAN」を、ジャンプの発行部数という観点から日本で一番読まれた短期終了作品と定義した。だが、両作品は日本で一番読まれた短期終了作品かもしれないが、正直なところ憶えている人も少なく、…

日本で一番読まれた短期終了作品その2

今から二十七年前、94年の本日12月20日はジャンプが653万部という最大発行部数を記録した95年3・4号が発売された日である そして、その号に掲載されていた短期終了作品こそ、日本で一番読まれた短期終了作品であるという理屈で以前宮下あきらの…

バットは殴る為にある?

12月になってもう一週間が過ぎようとしている。年齢を重ねると一年が早く感じるとはよく言われ、若かった頃はそんな訳ねーだろと思っていたが最近は本当に早く感じ、つい最近令和になったと思ってたのに気付けばもう令和3年も終わりである。ここ数年は体…

ジャンプを駆け抜けていった異端の漫画家

何度も説明しているが、当ブログにおいてジャンプの黄金期は「DRAGONBALL」の連載が開始した84年51号を始まりとし、「SLAM DUNK」の連載が終了した96年27号までと定義している そして、その約十一年半という間にジャンプで連載を経験した事がある漫…

ジャンプの幼年期の終わり

今から三十七年前の84年11月20日は当ブログで定義するところのジャンプの黄金期が始まった日であるという事は以前の記事で述べた。という事は必然的にそれより一週間前、つまり三十七年前の本日11月13日は、黄金期前の最後のジャンプが発売された…

ジャンプナイズの功罪

ジャンプを象徴する漫画ジャンルは?と問われれば、殆どの人は「それはバトル漫画である」と即答する事だろう。黄金期の看板である「DRAGONBALL」、現在の看板である「ONE PIECE」、そして映画の興行収入記録を塗り替えた「鬼滅の刃」など、ジャンプの歴史は…

柳生の剣は誰が為に

前回紹介した「甲冑の戦士雅武」の舞台は戦国時代だったが、今回紹介するのはそれより少し後の江戸時代初期を舞台とした作品である という訳でこちらの作品だ 柳生烈風剣連也(92年14号~24号) 野口賢 作者自画像 作者は89年に巻来功士のアシスタン…