黄金期ジャンプの影

主にジャンプ黄金期の短期終了作品について語ります

黄金期終了後のジャンプを牽引した男

 前回の当ブログで、二十六年前の96年6月17日は「SLAM DUNK」の連載が終了したのと同時にジャンプの黄金期が終了した日だと述べた。であるならば必然的にそれより一週間後の本日、96年6月24日は黄金期終了後初めてのジャンプが発売された日となる

 ところで、ジャンプに限らず1つの連載作品が終了したなら代わりとなる連載作品が開始されるのが常であるが、「SLAM DUNK」が終了した次の号に連載が開始した作品は何であるかご存じだろうか? などと問われてもマニア以外は憶えていないだろう。かくいう私もこの記事の為に調べるまで憶えちゃいなかった。が、答えとしては憶えていなくとも、作品としては殆どの人が憶えている筈だ

 

 その作品とは藤崎竜の「封神演義」である

 

 古代中国の殷周時代を舞台にした古典怪奇小説の「封神演義」をベースにした同作品は、99年には「仙界伝 封神演義」としてTVアニメ化するなど人気を博し、黄金期終了後のジャンプを牽引した看板作品となった。…のではあるが、「SLAM DUNK」と比べると明らかにパワー不足に感じられ、それが看板を張っているという状態がジャンプの凋落を如実に語っており暗澹たる気持ちになったのは私だけではなかっただろう。とはいえ、それは比較対象が悪すぎるだけで、単行本の累計発行部数2000万超という数字は黄金期の作品でも達成できたものは数少ない上、18年には「覇穹 封神演義」として再度TVアニメ化する(出来はクソとしか言いようがなかったが)など根強い人気を持つ、ジャンプを語る上では欠かせない作品の1つだという事は間違いない

 

 そんな訳で今回紹介するのは「封神演義」の作者である藤崎竜が黄金期に連載していたこちらの作品だ

 

 PSYCHO+(92年51号~93年11号)

 藤崎竜

作者自画像

 作者は90年に「ハメルンの笛吹き」で手塚賞佳作受賞、同年に「WORLDS」で準入賞を果たし、増刊ウインタースペシャルに掲載されてデビューを飾る。その後91年スプリングスペシャルに「TIGHT ROPE」を掲載、同年45号には「SHADOW DISEASE」で本誌初登場。そして92年スプリングスペシャルに「SOULofKNIGHT」を掲載後、同年51号から本作品で連載デビューを果たしたのであった

 早速作品の内容に触れる前にまずはカバーを外した表紙を見て頂きたい。何か違和感を感じる部分がないだろうか

 RYU FUJIZAKI

 そう、ふじきりゅう、なのである

 

 これを見て「マジかよ、フジリューって今までずっとふじさきりゅう、だと思ってたけど、実はふじざきりゅう、だったのか」と勘違いに恥じ入っている方がいるかもしれないが安心して欲しい。本作品の頃はふじざきだったが、「封神演義」の頃にはふじさきに変えているので勘違いではないのだ

 さておき、本作品は綿貫緑丸と、「電脳少女」の異名を持つ水の森雪乃との交流を描いたボーイミーツガール漫画である

 緑丸はその名の示す通り生まれつき髪の毛と目の色が緑色という外見から人々から奇異な目で見られコンプレックスを抱いていた。ある日、緑丸が日課である早朝の散歩をしていると、誰もいないと思った公園でゲームをしている雪乃と出会い、コンプレックスである緑色の髪を奇麗だと言ってくれた彼女に惹かれてしまう。だが、そんな雪乃は自分に言い寄ってくる男たちに試験と称してゲーム対決をしては退けるという毎日を送っていた

 自分もゲーム対決に勝てば雪乃を恋人に出来るのだろうか。でも、こんな自分の恋人なったら彼女まで奇異の目で見られてしまう。いや、それより今のところは負け知らずだが、いつまでも続かないだろう。思い余った緑丸は彼女にそんな事をやめさせようと、中古ゲーム屋で見つけたPSYCHO+というゲームで対決を挑む事に。しかし、実はそれはただのゲームではなく才能を持つ者に超能力の訓練を施す道具だった

 とまあ、そんな感じで緑丸はPSYCHO+を通じて雪乃との仲を深めつつ、超能力を高めていくのだが、私が初めて本作品を読んだ時は正直話に興味も持てず「なんかオタク臭い漫画だな」という程度の感想であった。超能力の訓練の為のゲームという「マインドシーカー」から着想を得たと思われるアイデアからしてマニアックだし、絵柄は雑誌のイラスト投稿コーナーに載っているようなタッチ、キャラの言動は80年代サブカル漫画のようで作品を通して作者の趣味が透けて見えてしまっている。それは現代ならともかく黄金期のジャンプにはそぐわないものであり、読者の支持が得られず11話で終了してしまったのも無理のない話である

 ここからは余談であるが、ぶっちゃけそういうオタク的雰囲気は「封神演義」でも少なからず感じられたものである。にも関わらず、片や大ヒット、片や11話で終了と両極端な結果になった理由としては原作の有無が挙げられるだろう。実際「封神演義」以降の作者の作品を見ても連載が長く続いたものは「屍鬼」に「銀河英雄伝説」と悉く原作付きの作品であった。反面、原作なしの作品は「封神演義」の次回作という事で編集部も読者も大いに期待していたであろう「サクラテツ対話篇からして19話でアッサリ終了してしまうなど全体的に奮っていない

 これは単純に話作りが上手くないとも言えるが、オリジナルだと作者が入れ込み過ぎて空回りしてしまって読者に上手く伝えられずにオタク臭さが悪目立ちしてしまうという面も見られる。リアルで例えるなら、オタクが自分の好きな事を語ると熱が入って早口でまくし立てるので周りは共感するどころかドン引き、みたいな

 …書いていて自分もその傾向が無くもなく胸が痛くなったので今回はここまでにさせて頂く

 

 

 

奇跡の軌跡

 今から二十六年前、96年の今日6月17日は「SLAM DUNK」の連載が終了した日、つまり、当ブログで規定する所のジャンプの黄金期が終焉を迎えた日である。そこで今回は黄金期を振り返る事が出来るこちらの著書を紹介したい

 

 「少年ジャンプ」黄金のキセキ

 後藤広喜

 

 著者は70年、集英社に入社と同時にジャンプ編集部に配属。当時のジャンプはその前年にようやく週刊化を果たしたばかりで、著者とその同期であるアデランスの中野さんこと中野和雄が新卒で編集部に配属された初の人材となる。その後81年に副編集長に就任、86年には第4代編集長となり、93年に堀江信彦にバトンタッチするまでの七年間、ジャンプの指揮を執り続ける。編集長を退任した後は同社取締役に就任。02年にはグループ会社である創美社に出向、その後代表取締役に就任して12年に退職。そして18年、ジャンプ創刊五十周年という節目に著者が編集部に在籍していた時代を振り返った本著が出版される事となる。ジャンプの黄金期が約十一年半であるから、その大半の時期においてトップに座り続けていた人物である著者は、誰よりも黄金期ジャンプについて語るのに相応しい人物だと言えよう。因みに本著によるとジャンプの黄金期は85年1号で始まり95年1号で終わる十年間となっており、著者の立場からしてオフィシャルに近い定義だとも言えるが、当ブログでの定義は変更しないでおくものとする

 そんな本著は著者が編集部に所属していた頃(±数年)のジャンプを創刊誕生期、飛躍期、常勝期、黄金期と4つに分け、各時期を編集部で起きた出来事やその時期を代表する連載作品の解説をまじえて振り返るといった内容になっている

 そのうち、各時期を代表する連載作品の解説については、正直ジャンプとなんの縁もない評論家が書いたものと大差ないありきたりな感じがするが、自分が担当した作品については非常に臨場感があって興味深く読める。難点は担当作品が平松伸二作画、武論尊原作の「ドーベルマン刑事」など、黄金期よりかなり前の作品ばかりなところだが、81年には副編集長になって現場の最前線から離れているのだから仕方がない

 中でも特に熱が入っているのは中島徳博作画、遠崎史朗原作の「アストロ球団」の解説で、毎号のように深夜まで打ち合わせをし、それでも結論が出ない時は徹夜で考えさせて早朝にチェックしに行き、ある時にはネームが不満で中島徳博の頭をトレーシングペーパーで殴りつけたというエピソードなどには狂気を感じる。その結果、中島は頭に瘤が出来、手がグローブのように腫れ上がるという心因性の病気を患い、因果関係は不明であるが連載終了後には脳内出血で倒れる事になってしまう。まさに命を削るような思いであり、そこまで追い込んでしまった著者の後悔は尽きない。今では絶対に許されない行為であるものの、当時ではそういう事が常態と化していたので著者を責めるのも酷というものだが。昔の漫画家に早世する者が多かったのも無理のない話である

 もう1つ興味深かったのは、ジャンプ史の中でも最大級の謎と言えるF1マクラーレンホンダチームのスポンサーになった経緯が描かれている事である。それによると最も積極的だったのはジャンプでもマクラーレンでもなく、500万を超えるジャンプの読者に名を売りたいホンダだったという。ただ、池沢さとしの「サーキットの狼」の解説に関連付けて軽く触れただけなので、1億円超とも噂されたスポンサー料が実際いくらだったかとかもう少し掘り下げて欲しかったという気もする

風吹裕矢の画像が無かったので代わりに早瀬佐近の画像を


 ところで、元編集長がジャンプの内情を述べる著書と言えば、著者の先代に当たる西村繁男の「さらば、わが青春の『少年ジャンプ』」があるが、そちらがちょこちょこ辛辣な言葉が見られるのに対し、本著は出版元が集英社であるという事からか、はたまた著者の性格故か、全体的に穏当な表現となっている

 その一方で、例えば悪名高き専属制に対しては、明らかに好感情を抱いていないのに自分がトップになってからも結局廃止させなかった事もあってか、なんとも歯切れの悪い説明になっているところなど似ている部分も少なくない

 特に顕著なのは、ジャンプの軸となるのは友情、努力、勝利という三大ワードを体現した熱い男の漫画であるという信念からくるラブコメに対する忌避感で、「電脳少女」に関して述べる項で担当編集者との会話を引用する形でこれはラブコメではなくラブストーリーだと苦し言い訳をするところなどは、「さらば、わが青春の『少年ジャンプ』」内で「キャッツ♡アイ」や「ストップ‼ひばりくん!」を少なくともラブコメの範疇には入らないと思うと言い訳した西村とそっくりで微笑ましい。だとしても、結局熱い男の漫画ではないだろうに

 

 そんな著者と共に隆盛を極めたジャンプだが、編集長の座を堀江信彦に譲った93年秋以降激動の時代を迎える事となる。翌94年末には653万部という前人未到の記録を達成するが、95年には「DRAGON BALL」の連載終了の影響で588万部、更に「SLAM DUNK」の連載が終了した96年には495万部と坂を転げ落ちるように部数を減らし、97年には71年以降守り続けた発行部数トップの座をマガジンに明け渡してしまう

 その後、トップの座は奪回するものの部数減は留まるところを知らず現在では150万部にすら届かない有様であるのを見ると、ジャンプの黄金期は本著のタイトルの如く奇跡の産物だったのかもしれない

 

 

 

悪夢を振り払え 三十三年越しのファミコンジャンプ攻略最終章

 ファミコンジャンプの攻略も今回で最後となる。キングキャッスルの奥でピッコロを倒したら、突然金色のモノリスが現れて最終決戦の地へと飛ばされた所から再開

 桃と星矢が呼べるからエリア的にはエリア3扱いみたいだが、問題は体力がエリア3で別れた状態のままである事だ。このまま突入したら体力が減ったまま最終決戦に臨まなければならない。勿論他のエリアの仲間も同様である。なので、万全を期すなら面倒臭いけど各エリアを回って仲間の体力を回復しておこう。周りを筋斗雲でも越せない岩山に囲まれているので一瞬詰んだように見えるが、ここのモノリスはパスワードを教えてくれる代わりにキングキャッスルにワープさせてくれる。もっと面倒臭いけど中断してパスワードを入れ直す事で体力を全快させてもいいが。因みに最終決戦場のすぐ隣にはスタジアムらしき建物があるが、入る事は出来ない。もしかしたらとサッカーと野球のチケットを買ってきてみたがやはり無理だった。ここで仲間の体力を回復させる事が出来たら良かったのに

 さておき、最終決戦はこれまでのアクション戦闘とはうって変わってコマンド戦闘となり、大豪院邪鬼ラオウなどジャンプの歴代作品の悪役総勢13人を相手にケンシロウは百裂拳や無想転生、キン肉マンはキン肉ドライバーや火事場のクソ力など、それぞれ原作でお馴染みの技をビジュアル付きで繰り出して戦う事となる。…通常戦闘もこれで良かったのでは

 この戦闘で重要な点は2つある。1つは努力値(仲間によって名称が違う)で、これが高いほど仲間が強くなる。だが、それ以上に重要なのは相性だ。相性が良い相手だとほとんどダメージを受けずに大ダメージを与えられるし、相性が悪い相手だと逆となる。それどころか戦う事すら出来ない相手もいたりするほど極端な相性ゲーとなっている。それを途中で体力を回復する事も出来ずに13戦連続でこなさなければならないので、序盤の相手で相性の良い仲間を探り当てるのに手こずっていると、終盤には相手に相性の良い仲間が既に戦闘不能になっていて詰むというケースが出て来る。当時の私はそれで詰んで再挑戦の為にクソ長いパスワードを何度も打ち直しているうちに心が折れて投げ出したものだ

 だが、今回の挑戦はファミコンジャンプミニを使用しているのでクソ長いパスワードなど必要なく中断再開が可能である。…コントローラが小さくて操作し辛いのが難点だが。さあ、今こそ三十三年越しのリベンジを果たす時だ

 という訳で、具体的な攻略に移るのだが、先にも述べた通り最終決戦は極端な相性ゲーであり、相手の行動がランダムっぽいので運悪く必殺技を連発されたりすると事故る事もあるが、基本的には以下の通りにやればアッサリとクリア出来る。なので、自力でクリアしたい方は読まないように

 

 

 まず最初に戦う事になるのは大豪院邪鬼。相性が良いのは加納、獠、球一あたりで、その中から一番育っている仲間を出そう

 2人目はDr.マシリト。相性が良いのは加納、獠あたり

 3人目はキン肉マンフェニックス。相性が良いのは万吉、桃

 4人目は峠球四郎。抜作だと相手の必殺技を無効化出来る。

 5人目はジノ・ヘルナンデス。…いや、ヘルナンデスはライバルではあるものの悪役ではないだろ。明らかに場違いだが、実はこいつが一番厄介な相手で、こちらの攻撃をランダムで無効化したりはね返したりしてくる。相性が良いのはケンシロウだが、運悪く無想転生がはね返された時には物凄いダメージを喰らってしまうのでそうならないように祈れ。攻撃が当たりさえすればすぐに終わる

 6人目はライエル。相性が良いのは翼や万吉

 7人目はラスネール。ランダムで攻撃をかわす事があるのと、倒しても3回まで復活するという特性があるが、仲間にしてから一度も戦闘させてないキン肉マンでも倒せる程度。…なのだが、ここに大きな罠がある

 それは何かというと、今回の記事の為に色々試して気付いたのだが、途中で仲間がやられたり引っ込めたりして交代すると倒した回数にリセットが掛かるっぽいという事だ。なので、2度3度と倒しても復活するのを見て、コイツは倒すのに特別な条件があるんじゃないかと考えて色々な仲間を出して試してみると、その度に倒した回数にリセットが掛かって永久に倒す事が出来ないのである。今となっては記憶にないが、当時の私が詰んでしまった原因は主にコレだったのかもしれない

 

 いや、ふざけるな

 

 まあ、ファミコンジャンプミニだけの不具合で、実機ではそんな事ないかもしれないが、私は持ってないので誰か持っている方が居たら試して欲しい。実機でもやはり同じだったらマジ許さん。尚、他の相手も仲間が交代すると体力が全快するようなので、瀕死の仲間がいるから捨て石にしてやられるまでに少しでも相手の体力を削っておこうなどという行為には全く意味がない。まさに無駄死にである

 8人目はヒゲゴジラ。相性が良いのは悟空、アラレ、獠あたり。獠は邪鬼、マシリトとも相性が良いので、戦力が足りてなくて詰んだ人は獠を優先して育てよう

 9人目はエシディシ。戦う前にエリア5攻略時に聞いたヒントを思い出そう

 という訳で、悟空の太陽拳。悟空がどんな状態だろうが問答無用で一撃死する

 10人目は赤カブト。こちらもアラレの遊ぶだと一撃。

 11人目はサガ。相性が良いのは抜作。幻朧魔皇拳を喰らうと自分で自分を攻撃してしまうので注意。相手が後攻で喰らった場合はダメージを減らす為に次のターンでは通常攻撃を選ぶべし

 12人目はラオウ。心情的にはケンシロウを出したいところだが相性は普通。しかもヘルナンデスに無想転生をはね返されて瀕死なのでたろーを出す

 そしてついにラストの13人目マジュニア。戦う前にこちらのヒントを思い出そう

 神の力、という訳でゴッドサイダーの霊気を投入。神魔碑文でアホみたいなダメージが出てアッサリ倒せる。なんなら通常攻撃でもいい。…ラスト中のラストがこんなのでいいのか

 という事で初プレイから三十三年にしてようやくゲームクリア。流石にエンディングは見せられないので、見たい方は自力でクリアしよう

 

 さて、これで本作品を批評する権利を得た私だが、最後までプレイした事で評価は変わっただろうか?

 答えは否である

 良い所が全く無かったとは言わない。(当時の)ジャンプ歴代の人気作品のキャラが大勢出て来る豪華さ、そして、作風の全く違う作品のキャラ達によって織りなすカオスな展開は本作品ならではだ。だが、それは各作品のおかげであり、ハッキリ言えば誰が作ろうとそうなるだろう

 また、本作品の最も駄目な所として挙げていた戦闘がつまらないという点は、出来るだけ戦闘を避けるという攻略方針のおかげでだいぶマシになった。が、新たに発覚したラスネール戦のクソ仕様はその分を差っ引いてもまだ余りある程だ。それ以外にも記事中で触れたが、アイテムがスタック出来ないとか重要なキャラが消えて一度スクロールアウトしなければ姿を現さないとかプログラムの稚拙さからくるプレイアビリティの低さが目につく

 でもそれは古いゲームだから仕方ないのでは、などと言ってはいけない。本作品が発売された89年にはファミコン市場は成熟しきっており、その前年には既にシリーズ屈指の名作と評価されているドラクエⅢが発売されていた程だ。それどころかアイテムのスタックなんか初代ドラクエ(86年)の時点で実装されている。最近、本作品に限らず当時クソゲーと言われた作品を再評価する流れが一部にあるが、私に言わせればその多くは当時の技術レベルを不当に低く評価して相対的にハードルを下げているに過ぎない

 百歩譲ってプログラムの稚拙さは仕方がないとしよう。ならばそれをカバーする工夫があって然るべきだが、現実はエリア5や最終決戦前に回復できる所が無いなどむしろ足を引っ張るような仕様となっており、プレイする者の気持ちなどまるで考えていない。キャラゲーなんてそんな工夫しなくてもどうせ売れるという思想が透けて見えるようだ

 そんな訳で今回もこの言葉で締めくくらせていただく

 

 こいつはくせえッー!、ゲロ以下のにおいがプンプンするクソゲーだぜッーーーー‼

 

悪夢を振り払え 三十三年越しのファミコンジャンプ攻略3

 ファミコンジャンプ攻略の3回目。今回はエリア4の攻略から

 例によってヒント通りに進めようと電話を掛けるが、掛ける度に違うヒントをくれるのでどうしたらいいのやら

 とりあえず筋斗雲に乗ってエリア3の下方向にあるエリア4へ。因みに筋斗雲は便利だが、乗る度に善悪パラメータが悪に寄ってしまうので注意。乗ったらジャンプを買うように習慣づけよう

 エリア4右上にあるイースヒルに入ってすぐにハルパスとの戦闘。勝つと霊気が仲間になる

 イースヒルのすぐ左には遺跡があって中にはジョジョがいるが、今は冷たくあしらわれるだけなので一旦スルー。そこから下に行ってスピードワゴンにコーラを渡してから遺跡でジョジョを仲間に。…スピードワゴンよ、お目当ての物が目の前で売っているのに何故行き倒れているのだ。まさか小銭すら持っていない訳じゃあるまいに。あと、自販機でコーラを買うと例によってスピードワゴンの姿が消えるので一旦スクロールアウトさせよう

 過去に戻って遺跡でイサムを仲間に

 マップ左下方向にあるサザンクロスで両津から料理の材料を渡される。本作品では基本的に過去の世界にいるキャラは開発時点で既に連載が終了している作品のキャラなのだが、何故両津が過去の世界に? まあ、初登場した時期は過去の世界に出て来る大概のキャラより古いけど。さておき、それを過去のイースヒルのレストランにいる味平に料理して貰う。また、イースヒルには早瀬がいて、エイジャの赤石を賭けてミニゲームのレースで勝負する事になるが、この時点では絶対に勝てない所謂負けイベントである。だが、負けイベントでもしっかりパラメータが下がるのでジャンプを買ってカバーする事

 サザンクロスに戻って両津に料理を渡し44マグナムを入手。ついでに風見にレースカーをチューンして貰う。その後サザンクロスの右方向にあるナチスシェルターに。シェルター内は広いが分岐は少なく、反時計回りに渦を描くように進めばいい。奥にいる加納に44マグナムを渡して仲間に。

 イースヒルで早瀬と再戦。ガス欠にならないように途中でピットインする事さえ忘れなければ負けないだろう。これでジョジョがパワーアップする

 ペンギン村に寄ってオトギマシーンを貰い、現代に戻ってサザンクロスの図書館で波紋の修行のミニゲーム。ボタンを連打して矢印の位置を右端でキープするようにしよう。連打し過ぎると左端に戻ってしまうので注意。クリアするとジョジョがパワーアップ 

 サザンクロスにはパズスもいるが、そのままでは倒す事が出来ない。先に建物内に隠れているリリスを倒しておこう

 ナチスシェルターの奥でサンタナミニゲームで戦闘。ガードが出来ず、パンチが当たった後ボタンを連打して波紋を送り込むという操作が入るが、基本的にはカイオウ戦のバリエーションだ。これで4回目だぞ

 過去のサザンクロスで赤鯱の友に会い、港町の電話ボックスで赤鯱に電話を掛けて潜水艦に乗せて貰う。友がいるのは過去なのに赤鯱がいるのは現代という点に注意。…赤鯱も現代と過去を行き来できるのか?

 潜水艦を操作して機雷を避けるミニゲーム。そんなに難しくないが、長いので集中力が切れそうなのが一番の敵。クリアするとウラシマと戦闘になり、勝つと新しい如意棒を入手。ウラシマって誰?と一瞬思ったが、おそらくは「THE MOMOTAROH」に出て来るウラシマまりんだろう

 如意棒を持ってカリン塔へ。神様の所に行けるようになり、超神水を入手。これでエリア4の攻略は終了となる



 エリア5の攻略に移る前に電話ボックスでヒントを聞く。今回聞けるヒントは2つだが、実はどちらもエリア5の攻略には関係なかったりする。しかも片方は過去の遺跡でイサムが言っていたのと同じじゃねーか

 ところで、エリア5では気をつけなければいけない事がある。それは街が無い、即ちレストランで体力が回復できない為に回復はおにぎりとコーラに頼りで、使い切ったら他のエリアに戻るしかないという事だ。しかもおにぎりとコーラはパーティの先頭にいるキャラしか回復できない上に2つ使ってもハート4つぶん程度しか回復しないので、もし使い切った上に仲間が2人とも瀕死だった場合は

 エリア4に行ってコーラとおにぎりを買う

 エリア5に戻って回復させたい仲間を呼び出し順番を先頭に変える(エリアを移動したので一旦仲間と別れている為)

 おにぎりとコーラを使う

 という行為を4度も繰り返さなければならない。誰だこの仕様を考えた奴は。なので最初に述べた通り、特にエリア5では出来るだけ戦闘を避ける事が重要となる

 

 という訳で、エリア4から左方向にあるエリア5に移動。の前に、サザンクロスとイースヒルのコンビニでそれぞれサッカーのチケットと野球のチケットを買っておく事

 そのまま左に進んでサッカー場に入る。因みにすぐ左下に見える似た建物は野球場で、入るにはそれぞれのチケットが必要になる。中でミニゲームPK戦。相手がこちらのシュートを止めるか否かは運頼みで祈るしかない。勝てば翼が仲間に

 過去に戻って左下方向の筋斗雲でしか行けない所に。ここにエリア4にいく前にヒントで語っていた動かせる岩山がある。現代には何もないので注意。中にいる南城から魂のバットを入手。因みにこの南城は創刊号に連載を開始した「父の魂」に登場するキャラで、本作品中に登場するキャラのうち最も古いキャラである

 現代に戻って野球場でミニゲーム。絶対失敗してバットを折られる負けイベント

 再び南城の所に行って真の魂のバットを入手してからミニゲームに再挑戦。チケットは一度入った時に消費されてしまっているのでエリア4に戻って買い直す必要がある。更に筋斗雲で2往復する分と負けイベント分でジャンプもしこたま買わなければならない。…なんだこの無駄な手間は。クリアすればたろーが仲間に。それにしても、たろーも翼もスポーツマンなのだが戦力になるのだろうか

 過去の野球場で球一を仲間に。勿論過去の世界でも入るにはチケットを買い直す必要がある。こちらもスポーツマンではあるが「アストロ球団」はバトル野球なので戦力になりそうだ

 過去のサッカー場でリフティングのミニゲーム。右か左の端に寄せれば楽になる。クリアすると友情のボールを入手

 魂のバットと友情のボールを持っている状態で過去の武道館に行くとキン肉マンが仲間に。因みに現代の武道館には「THE MOMOTAROH」のモモタロウがいるのだが、会う必要はない

 これで準備が完了したのでラストダンジョンとなるキングキャッスルへ。場所はカメハウスの左あたり。ダンジョンの1階は分かれ道の度に右→左→上→下→下→上→左→右→右→下→上の順に。2階以降はたいして広くないので迷う事はないだろう

 ダンジョンの奥にいるのはラスボスのピッコロ。たろーも翼もいるのに「たった1人でこの儂に戦いを挑むとは」とか言ってくる。…やはり戦力として数えられていないらしい。さておき、ミニゲームシューティングゲームでピッコロと勝負。ピッコロの動きはエリア2のリメルと大差ないが、拡散弾の間隔が狭くなっているので少しかわしにくくなっている。腕に自信があるなら拡散弾を発射する合間に接近して速攻で決める事も出来るが、失敗すると問答無用でゲームオーバーになるので無理は禁物

 これでゲームクリア…とはいかず、この後お約束のように真のラスボス戦が待っている。というところで今回はおしまいとさせていただく





 

悪夢を振り払え 三十三年越しのファミコンジャンプ攻略2

 前回に続いて「ファミコンジャンプ 英雄列伝」の攻略を。リンを救出してエリア1をクリア、エリア2に向かう所からだが、まずその前に北斗村に戻ってヒントを聞いておく

 という訳で、ブルマの家を目指す事に。エリア2は占いババの家から左に行った橋の先だが、仲間はエリアを移動出来ないのでケンシロウと抜作とは一旦お別れ。1人で左下方向にある西の都に向かう

 西の都に入ってすぐの所には冴子がいる(但し入ってすぐだと姿が見えず、一旦左か下に進んで画面をスクロールさせてから戻る必要がある)。獠を仲間にする為のヒントとあからさまに怪しい場所はあるが、今はまだ仲間に出来ないのでスルー

 西の都に限らず、街中は看板の付いている店を除くと入れる建物と入れない建物の見た目が変わらないので紛らわしいが、ブルマの家は左上だ。入ると問答無用で過去に飛ばされる

 飛ばされた先はペンギン村。すぐ上の建物が千兵衛の家で、タイムくんの設計図をマシリトに盗まれた事、そしてアラレがエネルギー切れで動けない事を話してくれる

 という訳でアラレのエネルギーを補給する為にコンビニで水筒を買い、村の外に出てすぐ右上にある泉でロボビタンAを汲む。因みにフィールドは色がセピアになっているがマップ自体は現代と変わらない。これでアラレを仲間に出来る

 ついでにエリア1に移動、過去の北斗村に。実際は別の名前だが、わかり易くするためにここに限らず現代と同じ名称を使用する。でジャンプをしこたま買って善悪のパラメータを善の最大値に。デフォのままだと8冊でいいが、途中でミニゲームに失敗していたり、敵と間違えて一般人を倒していたりすると悪側に寄ってしまっているので更に数が必要だ。前回に触れたがアイテムはスタック出来ないので、店に入って買っては外に出て使用するのを何度も繰り返さなければならないのは面倒くさいが、これで遠距離攻撃を出せる間隔が短くなるので戦闘が楽になる。過去のヤムチャの家にも行ってスナミ先生からメタクソバッチを貰って抜作がパワーアップ

 ペンギン村に戻り、マシリトから設計図を取り戻す為に左上の建物でキャラメルマン、オボッチャマンと戦闘。但しアラレを先頭にしているとオボッチャマンとは戦わずに済む。倒すとマシリトは設計図をおいて逃走する。これを千兵衛に渡すとタイムくんが貰え、以降は現代と過去を自由に往来出来るようになる

 早速現代に戻る前に千兵衛の家のすぐ下の家に入りホレチャッタ薬を山吹先生に渡す

 更に左の建物で瞳から獠を仲間にする為に必要なチョークを貰っておこう

 現代に戻って先程スルーした場所に行くと香が登場し、香から逃げながら獠を捕まえるミニゲームが始まる。移動速度は獠⋖自分⋖香なので、獠を捕まえる事より香に捕まらない事を優先しよう。クリアすると獠が仲間になる

 西の都から右に行って橋を渡るとカリン塔があるが、今はまだ入れない。その近くにいる桃白白を倒して如意棒を入手、それを西の都の少し上にいる悟空に渡すと、悟空が仲間になる

 悟空を仲間にしたらカリン塔に入れるようになり、カリン様を捕まえるミニゲームが始まる。内容はぶっちゃけモグラ叩きなので攻略法など無い。クリアすると悟空がパワーアップ

 カリン塔の右下にあるのがエリア2のボスがいるレッドリボン軍本部。1階から2階に上がる階段は3つあるが、正解は本部に入ってからすぐ下に進み、突き当りを右に行った先にある階段だ。ボス戦はミニゲームシューティングゲームで、クリアすればエリア2も終わりだが、如意棒が折れてしまって直す必要があるという



 

 続いてエリア3の攻略だが、その前に西の都に戻って例によってヒントを聞いておく

 …こんなクソゲーを作っておいてふざけているのか

 とは言え、クリアに必要なのでおもちゃを買わざるをえない。場所は看板が出ていてすぐわかるので画像は出さずにおく。出したくも無いし。お金がないなら後でもいいが、ついでにおもちゃの聖衣も買っておこう。エアカーは移動に便利だが無理に買う必要はない

 エリア3はエリア1のヤムチャの家の橋を渡った先。渡ってすぐのところにある駅から砂の扉駅か武蔵台駅までいき、そこからマップ左下にある港町に向かう

 港町に入って2件目の建物の前に子供が立ち塞がっている。のだが、これも冴子と同じく一度スクロールアウトさせないと姿が消えている。…アイテムがスタックできない事といい、ちょっとプログラムが稚拙過ぎないか。これが発売される一年前には既にドラクエⅢが発売されているというのに

 さておき、おもちゃを渡すと子供がどいて中に入ると星矢が仲間になる

 星矢を仲間にしたらエリア3のボスがいるサンクチュアリに入れるようになるが、後回しにしてマップの右上にある学園都市に行く。私はヒントに従って先に港町に行ったが、駅から近いのでこっちを先に行く方がいいかも。一番上の建物の右側の扉に入ると桃がいて、頭墨印のミニゲーム。これもカリン塔と同じくモグラ叩きなので攻略法は無い。クリアすると桃が仲間になる

 更に駅に戻り、魁駅に行く。降りてすぐの建物で三面拳、伊達との4連戦。勝つと男塾入塾が認められ、その先に進めるようになる

 男塾にいる江田島から、ここから過去に戻って万吉を仲間にするように言われるので、それに従ってタイムくんを使用。過去の男塾に万吉がいるが、夢を実現させるまでここを動かないという

 そのすぐ隣、現代では伊達たちと戦った場所に入ると健太がいて、ミニゲームシューティングゲームが始まる。道中では雑魚がたまに出るだけだし、ボスの攻撃も大した事が無いので楽勝だろう。ボスを倒しただけではクリアにならずに来た道を引き返さなきゃいけないのだが、帰り道は敵が出ないし制限時間がある訳でもないので操作する必要すらない。…帰り道は何の為にあるんだ?

 さておき、これでドリームノートをゲットし万吉に渡すと仲間になってくれる。こんな手段で夢をかなえていいのか万吉。あと、原作ではドリームノートじゃなくドリムノートでは?

 過去に戻ったついでにエリア2のペンギン村に行き、千兵衛の家でおもちゃの聖衣をホンモノマシーンで本物に変えて聖矢がパワーアップ

 現代に戻ってようやくサンクチュアリに突入。場所は港町のすぐ右下。ダンジョン内は一本道なので迷う事は無い。道中ではカミュ、シュラ、デスマスクアフロディテの順で黄金聖闘士4人と戦闘。細かい話かもしれないが、ここも原作とは戦う順番が違うぞ

 ダンジョン奥にはサガがいてミニゲームで勝負。カイオウ戦に似ているが攻撃が飛び道具になり、上中下段に分かれて飛んでくるので難しい。クリアすると沙織を救出し、亀仙人とコンタクトが取れるようになる

 港町の電話ボックスから電話を掛けるとクリリンが迎えに来てカメハウスに。筋斗雲と引き換えにピチピチギャルのビデオを要求される。ビデオを持っているのは過去の学園都市の宗一郎だ

 ついでに過去の港町でレストランに入り、ひかるからまどかと菊の仲裁を頼まれ、その流れでミット打ちのミニゲーム。攻撃を防ぎつつミットを構えられた場所に打ち込む…ぶっちゃけカイオウ戦、サガ戦のバリエーションだ。クリアすれば主人公がパワーアップする

 更に過去のサンクチュアリでゼウス戦。勝てばカイザーナックルを入手して桃がパワーアップ

 カメハウスに戻って筋斗雲を入手。これで徒歩やエアカーで行けなかったエリア4とエリア5に行けるように

 という所で今回はこれまで。次回はエリア4とエリア5の攻略の予定

悪夢を振り払え 三十三年越しのファミコンジャンプ攻略

 当ブログでは前々回、「ファミコンジャンプ 英雄列伝」を究極の悪夢などとかなり辛辣に紹介したが、その記事を書いている最中にふとある事に気付いてしまった。そう言えば私はこのゲームを一度もクリアしていないな、と

 これは由々しき事ではないか。ゲームだけじゃなく本でも映画でも、最後まで見届けなかった者の批評にどれだけの価値があろう。例えクソゲーであっても、いや、クソゲーだからこそクリアまでプレイし、最後までクソだった事を見届けなければ批評者たる資格はないのではなかろうか。それに、もしかしたら、最後までプレイした事で評価が変わる事もあるかもしれないし

 という訳で、私は発売から三十三年越しに本作品の初クリアを目指し、プレイ過程を当ブログにて報告する事をここに宣言する。報告はゲームの攻略としても役立つようにまとめるつもりなので、もし私と同様に今更本作品をクリアしようという物好きな方がいるなら参考にして頂けたら幸いである

 尚、今回の攻略は実機ではなくファミコンジャンプミニに収録されているものを使用した事をあらかじめ断っておく

 

 そんな訳で早速開始…と、その前に本作品を攻略するにあたっての注意点を述べておこう

 まず1つは、本作品は体力回復手段が非常に少ないという事だ

 イベントをクリアした時に体力が全快する事があるが、基本的には街にあるレストランで食事をする、回復アイテムのおにぎり、コーラを使う。これだけである。しかも、コーラを入手できるようになるのはエリア4以降な上にアイテムをスタックできない、つまり同じアイテムを複数持つ事が出来ないので街以外では2度、序盤に至っては1度回復するともう終わりである

 2つめは、一度戦闘に入ると逃げる事が出来ない上、アイテムを使う事も出来ないという事だ

 なので、狭い通路で戦闘が避けられないようなダンジョンにおいては、途中で回復アイテムが尽き、体力もあと僅かで進退窮まるケースもある

 そして3つめは、紹介記事でも触れたが戦闘が非常につまらない事である

 以上から導き出される本作品の攻略における基本方針は

 

 出来るだけ戦闘は避ける事である

 

 そんな事言っても、戦闘しなければキャラも強くならないしお金も手に入らないんじゃないか、などと心配する必要は無い。というのも、本作品はお金の使いみちが少なくイベント戦闘だけで必要な分は入手できるし、基本的に雑魚と戦わずとも戦闘で詰まる事もない。詰まるとしたら最終決戦だけだが、その時になってから雑魚狩りをしても充分間に合う

 

 それを踏まえて「ファミコンジャンプ 英雄列伝」の攻略を始めよう

 

 

 ゲームの開始してまずやることは、スタート地点のすぐそばにあるほくとむら(ゲームでは仮名表記だが、読みにくいので以降固有名詞は漢字で表記する)に入って、しばらくは唯一の回復アイテムとなるコンビニでおにぎりを買う事だ

 因みにテレホンカードを買うと電話ボックスでヒントを聞けるようになるので、せっかくだからこのヒントに従って攻略を進めていきたいと思う。が、スタート時の所持金では足りないので、いきなり基本方針を破ってお金稼ぎの戦闘を重ねてテレホンカードをゲット

 まだ誰も仲間にしていないのにいきなりボスと戦えと申すか。でもヒントでそう言っているのだから仕方がない。早速北斗村から左下方向にあるエリア1ボスのカイオウの城に向かったのだが…入れないじゃないか!


 どうもゲームの仕様として、条件を満たしていないとエリアボスと戦う事は出来ないようだ。どうすればいいのか何度ヒントを聞いても同じ事しか言わないし、ヒント通りに攻略するという方針はいきなり頓挫してしまった

 仕方がないので紹介記事を書く際にプレイした時の記憶を頼りにとりあえずケンシロウを仲間しよう。北斗村から右に進んで橋を渡ってそこから下に進む、と、ケンシロウの墓があるが、一旦スルーして更に左下に進んでヤムチャに話を聞く事に


 時間をチェックしてみるとゲームスタート時は18時だったのに、お金稼ぎをした上カイオウの城に行って無駄足を踏んでいるうちに22時を過ぎてしまっていたではないか。ここから22時まで時間を進めるのもダルいので結局ゲームを最初からやり直してケンシロウを仲間にした

 


 ついでに北斗村から右にある占いババの家に行く。仲間の居場所を占って欲しければ60000ゼニーよこせと言ってくるが、断るとバッファローマンネプチューンマンを倒せばタダでいいという事でイベント戦闘のスタート。因みにはらうを選んでもこの時点ではそんなにお金を持っていないので結局戦闘になるから気をつけよう


 このイベントはケンシロウを仲間にする前でも出来るが、主人公よりケンシロウの方が遠距離攻撃の攻撃力が強い分簡単なので、自信の無い人はケンシロウを仲間にしてから挑むのがいいだろう。因みにこの戦闘に勝つとテレホンカードを買ってもお釣りがくるくらいの金が入手できる。…先程時間を掛けてお金稼ぎをしたのはなんだったのだろうか

 さておき、これで抜作も加入。エリア1で仲間に出来るキャラは全て揃ったので、改めてカイオウの城に向かう

 カイオウの城はダンジョンになっているが、構造が単純なので迷う事は無いだろう。奥にはエリア1のボスであるカイオウがいて、唐突にミニゲームによる対決が始まる。大して難しいミニゲームではないが、攻略法としてはガード連打しつつ接近してカイオウの攻撃をガード後に攻撃を放つ事。あと、スタート地点から真っすぐ下に行った突き当りにあるスーパーコントローラー2を入手していればケンシロウがパワーアップするので忘れずに取ろう。取らずにダンジョンをクリアすると、もう入れなくなって入手不可能になってしまうので注意

 だが、カイオウを倒しただけではクリアにはならない。奥の部屋に行くには鍵を持っているヒョウを倒す必要がある(どちらと先に戦ってもいい)。因みに先程のバッファローマンネプチューンマン戦もそうだが、ボス戦だからとてやる事は雑魚戦と大差ない。更に言えば敵キャラは見た目は違えどボスも雑魚も攻撃パターンで分類すると以下の5種類しかいないので対策も容易である

 ①こちらを追い回して接近攻撃を仕掛ける敵(ネプチューンマンはコレ)
 ②やや不規則に動き、近づいたら近接攻撃を仕掛ける敵(ヒョウはコレ)

 ③ダッシュで近づき近接攻撃を仕掛ける敵(バッファローマンはコレ)

 ④こちらと距離を保って遠距離攻撃を仕掛ける敵

 ⑤ワープで移動し、遠距離攻撃を仕掛ける敵

 さておき、ヒョウを倒して手に入れた鍵でカイオウの部屋の奥の扉を開け、リンを救出。これでエリア1のクリア完了となる

 少し長くなってしまったので今回はこれまで。次回はエリア2とエリア3の攻略をさせて頂く事にする

あの超有名ゲームの生みの親の生みの親

 86年5月27日、つまり三十六年前の今日は、とある有名TVゲームシリーズの第1作が発売された記念すべき日である

 

 そう、国民的RPGとまで言われ、シリーズの累計出荷及びDL数は8000万超、現在は12作目となる「ドラゴンクエストⅫ 選ばれし運命の炎」の発売が予定されている(いつになるのかわからないが…)「ドラゴンクエスト」、通称ドラクエである

 周知の事実であるが、ドラクエとジャンプは非常に結びつきが強い。それは、ドラクエのクリエイターである堀井雄二がジャンプに掲載されていたTVゲーム紹介コーナーである「ファミコン神拳」でライターを務めていたからだ。その為前回紹介したファミコンジャンプミニにも数々のジャンプ原作ゲームに混じってドラクエが収録されている

 当時のTVゲーム、特にファミコンにおいてはアクションゲームやシューティングゲームが主流であり、ドラクエのゲームジャンルであるロールプレイングゲームRPG)なんて言葉すら知らなかった者も少なくなかった。それが現代においてはすっかりお馴染みのジャンルとなっているのも、「ファミコン神拳」においてドラクエを積極的にアピールしたおかげであり、それがなくばドラクエが、そしてRPGが世間に広く受け容れられる事は無かった。…というのは言い過ぎだが、少なくとも受け容れられる速度はもっと緩やかだったであろう

 

 そんな「ファミコン神拳」の歴史が1冊にまとめられた書籍が16年に発売されていた事をご存じだろうか

 

 ファミコン神拳!!!

 「ファミコン神拳」伝承委員会

 

 メインライターの1人である堀井雄二は大学時代からフリーライターとしての活動を始め、知り合いであるさくまあきらからマシリトこと鳥嶋和彦を紹介されてゲーム仲間になった事でジャンプとの縁が出来、82年40号の「マイコンは今ゲームランド‼」で初のゲーム記事を手掛ける事となる。同年、鳥嶋の依頼でエニックスのゲーム・ホビープログラムコンテストの取材をするついでに自身でも「ラブマッチテニス」というゲームを制作して応募したところ、入選プログラム賞を受賞して翌83年に発売、ゲームクリエイターとしてデビューを飾ってしまう。同年には「ポートピア連続殺人事件」が発売されゲームクリエイターとしてすっかり有名になってしまうがライターの仕事も継続、85年36号から開始した「ファミコン神拳」では、ゆう帝としてライター陣に名を連ねる事となる

 こう振り返ってみるとドラクエの生みの親である堀井雄二ゲームクリエイターになるきっかけを作ったのはジャンプでなので、ジャンプこそが生みの親の生みの親と言えるのではないだろうか。もしジャンプとの縁がなくとも結局はゲームクリエイターになったのかもしれないが、その場合はキャラデザインを務める鳥山明との縁もなくなってしまうので少なくとも今の形のドラクエは生まれなかったし

鳥山明のキャラデザインもドラクエが普及した要因の1つである

 さておき、本著は全6章構成となっており、そのうち1章の奥義袋とじ全掲載拳‼と6章の復刻!あたた独断採点拳‼は、その名の通り当時掲載された全「ファミコン神拳」のうち、袋とじの部分とゲームレビューを復刻掲載したものとなっている

 今まではこれらを読むには当時のジャンプを保存しておくしかなく、そんな人はごくごく僅かしかいなかったので嬉しい復刻である。…まあ、袋とじはサイズを縮小して掲載されているので読むのが辛いし、そもそも今読んでも有益な情報も無いのだが、眺めるだけでも当時の雰囲気が味わえて楽しい。その2つと「ファミコン神拳」のイラストを担当した土居バグユキこと、ジャンプ放送局でもお馴染み土居孝幸のイラストを掲載した4章の土居孝幸イラスト大公開斬‼は資料的意味合いが強いと言えよう

 そして残りの2章初代編集マシリト大放言‼、3章ファミコン神拳創世者爆録座談会‼、5章伝承者インタビュー突撃破‼は、ライターを務めた面々と担当編集だった鳥嶋が当時を振り返って色々エピソードを語っている

ゆう帝だけでなく勿論ミヤ王もキム皇も語っているぞ

 当ブログでしょっちゅう引用している西村繁男の「さらば、わが青春の『少年ジャンプ』」もそうだが、私はこういった当時の事を語るという企画が好きだ。特に携わった当人が語ると臨場感が段違いで読んでいてワクワクする

 

shadowofjump.hatenablog.com

 これらの章ではキム皇が昔、市民活動家のところに出入りしていたとか、ミヤ王のところにサンデーからもファミコン記事を書いて欲しいという依頼が来て、それを「ファミコン神拳」加入前のてつ麿に紹介したとか、今では信じられない80年代的エピソードが語られている

 その中でも注目すべきは鳥嶋の話だろう。当人をモデルとしたDr.マシリトなどを見て察しられるように元々舌鋒が鋭いのに加え、集英社を離れて白泉社に移籍した為か、「ファミコン神拳」内部だけでなく編集部内の反応やメーカーとの関係など編集サイドしか知りえない話をかなり辛辣な言葉交じりで披露してくれている。…白泉社集英社と同じく一ツ橋グループの企業なのだが、いいんだろうか

 その中でも一番印象的な言葉を紹介して今回は終わりとさせて頂こう

 

 あのね「キャラゲーはつまんない!」というのを植え付けちゃったのは、ひとえに責任はバン……。

 

 その言葉をもっと早く言って頂けたなら「ファミコンジャンプ 英雄列伝」の被害者はもっと少なく済んだであろうに